Oracleは、Linuxの誕生とほぼ同時期からこのOSをサポートしてきている。しかし、同社の最高経営責任者(CEO)Larry Ellison氏とRed Hatとの間に意見の食い違いが生じた2006年、同社は「独自の」Linuxディストリビューション、つまり「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)のクローンである「Oracle Linux」を手にする必要があるとの決断を下した。それから8年経った今も、同社は「Oracle Linux 7」のリリースによって、RHELに軸足を置いたディストリビューションの開発を続けている。
最近新たにリリースされた「RHEL 7」と同様に、Oracle Linux 7では「XFS」や「Btrfs」、Linuxコンテナ(LXC)、「DTrace」「Xen」の機能拡張が特長となっており、「OpenStack」によるクラウドもサポートされている。
またOracleは、Red Hatの後を追うように、OpenStackのインテグレーターであるMirantisとの提携も果たした。なお、Red HatとMirantisは2013年以来、RHELおよびOpenStackにおいて協力してきている。
RHEL 7とOracle Linux 7の大きな違いは、Oracleのディストリビューションの商用版が「Ksplice」をサポートしている点だ。Kspliceは、再起動することなしにOracleやRHELのセキュリティアップデートをLinuxカーネルに適用できるようにするプログラムだ。
Oracleは2011年にオープンソース企業Kspliceを買収し、その後すぐにOracle LinuxとRHELでのみ利用可能にした。それ以来、「KernelCare」や「kpatch」といった、「再起動せずともパッチを適用可能にする」他のLinuxプログラムが登場してきている。しかし、後から登場したこれらのプログラムは現時点でKspliceほどには成熟していない。
Oracle Linuxは無償でダウンロード提供されている。ただ、サポートを得たければ有償の「Oracle Linux Support」契約を締結する必要がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。