名古屋市立大学が8月8日に医学部附属病院内に新設した「医療デザイン研究センター」は、クラウド環境に対応した3Dエンジニアリングシステムを採用した。ソフトウェアを提供したDassault Systèmesが8月25日に発表した。
採用したのはDassaultの「3Dエクスペリエンスリリース 2014x (R2014x)」。R2014xは、3次元CAD設計とエンジニアリング向けの「CATIA」をはじめとする多くのソフトウェアが搭載されており、クラウド環境でのデータ共有機能によって、3次元CADデータを軸に組織間、部門間で共同作業できるようにする。
医療デザイン研究センターは、医療機器の開発機能を病院内に持つことで、医師や医療従事者のニーズと大学の研究成果、企業の持つノウハウをつなぎ、医療機器の開発プロジェクトを加速化、活性化するのを目的に開設された。
また、名古屋市立大学の「現場に直結した医療デザイン研究による医療機器開発支援と開発型医療産業人材の育成」が、5月30日から2015年3月31日まで経済産業省の「大学におけるオープンプラットフォーム構築支援事業」として採択されており、同センターはこの事業の推進主体として産学官連携による医療機器の研究開発事業および開発型産業人材の育成に携わる。
センター内には医療機器の研究開発を促進すべく、産官学のプロジェクトメンバーが集うためのワークスペースのほか、3Dプリンタやワークステーション、高精細タブレット端末などが常設されている。センターでは、主にR2014xに搭載されたソフトウェアである「CATIA(CATIA on the Cloud)」とソーシャル機能を実装したインターフェースを活用し、医療機器のデザインや設計、解析、3Dプリンタへの試作品出力での情報共有などを実施する。
これにより、プロジェクトに参加する産官学のメンバーそれぞれが、リアルタイムで機器デザインや設計、機器の挙動や使用シナリオなどを検討できるため、医療機器開発に要する時間と工数が飛躍的に短縮されるとしている。
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