モバイルで変わる未来--「iPad」アプリ活用で売上増など成功事例と導入のポイント

Krishan Sharma (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2014-09-03 07:30

 モバイルは破壊的な力であり、新たなビジネスモデルを作り、顧客の関与を推し進め、組織内の共同作業を改善し、外出中の従業員の働く力を高めている。さらに、企業はモバイルを活用して、従来の経費をなくし、ビジネスプロセスを合理化して収益性を向上させている。モバイルはマーケティングや営業から従業員の生産性まで、企業のあらゆる部分で効果を発揮しているのだ。

 大企業はまだこのモバイル革命に適応する方法を学習しつつある最中だが、小規模な企業は業界を問わず、素早く転換してモバイルに適応し、ビジネスを変えつつある。

モバイルの恩恵は本物

 オーストラリアのブリスベンにある小さなコーヒーショップOrea Cafeは、「iPad」アプリを使ったPOSシステムで顧客が移動中にツイートやFacebook、ショートメッセージで事前に注文できるようにしてから、売り上げが2倍になった。このカフェのモバイルを活用したレジスターは、Bitcoinでの支払いさえ受け付ける。


Orea Cafeのオーナー、Brittany Vass氏(左)とSamantha Saunders氏

 Fiedler Brothers Plumbingは、紙を使った事務仕事で1日8時間を失っていたが、モバイルデバイスとアプリを使うことで、業務の形を変えることができた。これによって、管理にかかる時間も、従業員の就業時間も減り、請求書の処理時間は短縮され、業績も改善した。

 AustraliaWOW!は高い経費がかかる物理的なオフィスから、バーチャルなモバイルを利用した、世界で3万人のフィットネスインストラクターにソフトウェアとサービスを提供する運営へと完全に移行した。

 オーストラリアのパースにあるImari Consultingは、世界の人材プールにアクセスすることによって、地元に適切なスキルの人材が不足している問題を解決し、今では主に米国に拠点を置く10人の遠隔スタッフを抱えている。 モバイルはスタッフの日常的な連携から、コミュニケーション、プロジェクトの追跡、管理、その他の組織運営などビジネスのさまざまな側面によい影響を与えている。

 メルボルンの服飾メーカーであるSaibu no Akumaは、ほかの小規模企業と同じで、EFTPOS端末(オーストラリアでよく使われる決済用端末)を導入する金銭的余裕がなかった。しかし、スマートフォンとペアリングした199ドルのBluetoothカードリーダーと、アプリを組み合わせて使うことで、安全にクレジットカードの支払いを処理できるようになり、この問題は解決した。

 財務ソフトウェアメーカーであるMYOBの調査によれば、中小企業の3分の2がクレジットカード払いに対応しておらず、このために10社に1社が顧客を失っている。出先でクレジットカードの支払いを処理できれば、ただちにキャッシュフローを増やせるだけでなく、スタッフがオフィスの外でも顧客と関与することができる。

 Saibu no Akumaの共同創業者であるTony Wu氏は、「当社は、顧客の多くがフルタイムの仕事をしており、当社の営業時間が顧客のスケジュールに合わないことを理解している」と話す。

 「先方のオフィスや自宅、カフェで顧客と会い、その場で支払いを受けられるというのは、こちらにとっては手間が減るということであり、クライアントにも全体としてプラスの経験となる。さらに当社では、オフィスやバーでイベントを開催するため、完全にモバイルでペーパーレスに活動できることは、当社のブランドイメージにも沿っており、もちろん時間やコストを削減する効果もある」(Wu氏)

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