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多様な取り組みと参加を認めながら進むオープンデータの活用--「オープンデータ・サミット」レポート - (page 4)

田島逸郎

2014-10-06 12:09

パネルディスカッション


パネルディスカッション

 その後、各登壇者によるパネルディスカッションのセッションがあった。「オープンデータで目指す社会とやりたいこと」というテーマを主軸に、多種多様な取り組みを踏まえた上でどう関わる人々を増やしていき、活動を盛り上げていくべきかについて幅広い議論が行われた。

 オープンデータの活動を盛り上げていく上で、関わる人の数を増やすことと活動の幅を広げていくことの2つが主な議論となった。前者としては、関心はあるがまだ既存の活動に関わるには踏み切れない人々をどう取り込むかが議題となり、それぞれのコミュニティでの試みを踏まえた議論がされた。Code for Japanでは誰でも参加できる「井戸端会議」を実施。この取り組みでは二次会の方が盛り上がるなどカジュアルな取り組みを継続的に実施していることがポイントであることがうかがえる。

 また、エンジニアをどう巻き込むかという議論があった。豊田氏はチームによって活動することでその人なりのコミュニケーションができあがっていくというハッカソンの意義を挙げ、関本氏は主体的に関われる人がまだ少ないため、1人でいろいろ試すなどいろいろな関わり方があると良いのではと述べた。オープンデータ活用のプロセスが明確化されるとより参加しやすくなるのではという意見も出た。

 後者については、現在はデータが公開されるとアプリなどの活用があるという単純なプロセスだが、それを拡張していく意見が出てきた。例えばアイデアを出すアイデアソンと実際にものを作るハッカソンの中間に当たるものが必要なのではという議論や、庄司氏はハッカソンの後に「マーケソン」というどう広めていくかに関するイベントを提案した。

 また、庄司氏は海外の「アプリではなくエコシステム」という主張を紹介し、ビジネスや社会活動をする人にデータを加工して使いやすく加工する中間支援の可能性を提案した。竹内氏は、行政の役割として、一番使いやすいデータが意識しなくてもいつでも使える状況を作り上げることが目標だと述べた。

 オープンデータのビジネスへの活用については、村上氏によりビジネスをたくさん考えて試すための手段としてのオープンデータの重要性が主張された。また、高梨氏は分析でオープンデータの活用は既に始まっているが、データの数を増やすに過ぎないと述べた。その上で、行政の仕事をアウトソースできるような課題解決のプラットフォームを売り込める企業家が必要なのではと提案した。

まとめ:オープンデータでは多様なステークホルダーの連携が鍵

 「オープンデータサミット」では、特にパネルディスカッションで非常に幅広いテーマを取り扱っていた。その中で、オープンデータのビジネス展開に際しては、企業と行政のみならず、市民や自由に参加するエンジニア、各種団体などさまざまなステークホルダーが存在することを踏まえて、またその中からビジネスの機会が生まれてくる可能性を考慮することが重要であるという印象を受けた。まだ日本国内でのオープンデータの趨勢は固まってはいない。その中でいかにチャンスを見つけ出していくかが重要だろう。

田島逸郎
いくつかのスタートアップに関与しながら、スマートフォン情勢に関心を持ち、個人的に調査、記事の執筆などを行っていた。現在は地理空間情報系のスタートアップで、主にGISやオープンデータなどに携わる。

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