SAPがクラウドサービスの戦略的重要プロバイダーとしてIBMを選出した。両社が10月14日に発表した。今後、SAPのマネージドクラウドサービス「SAP HANA Enterprise Cloud」を、世界各国に広がるIBMのデータセンターから利用できるようになる。
IBMとSAPは協力体制の下、SAPのソフトウェアをIBMのクラウド環境で提供する。基幹業務システム(ERP)であるSAP Business Suiteなどのソフトウェアをクラウド環境で実行できるようにすることで、SAPはインメモリデータベース「HANA」によるアプリケーション処理の高速化技術を幅広く提供できるようになる。
IBMは、これまでの導入ノウハウに加え、IBM CloudManaged Services(CMS)とSoftLayerのアーキテクチャを基に、顧客が持つSAPソフトウェアのワークロードを管理し、データを試用段階から運用段階まで一貫した基盤上で保管する。
顧客がIBMとSAPの2社のテクノロジとサービスを利用できる点も、さまざまな規模の顧客にとって利点があるとしている。
また、IBMクラウドでは、顧客自身が管理できるため、自社で蓄積したセキュリティのノウハウなどをクラウド環境に取り入れ、拡張することも可能という。