マイナンバー制度への理解度低い--中堅中小企業にノークリサーチが調査

NO BUDGET 2014年10月21日 06時00分

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 ノークリサーチは10月20日、中堅・中小企業におけるマイナンバー制度への取り組み実態に関する調査を実施し「2014年 中堅・中小企業におけるマイナンバー制度への取り組み実態に関する調査レポート」を発刊、そのダイジェストとしてリリースを発表した。

 それによると、中堅・中小企業におけるマイナンバー制度への認知や理解度は非常に低く、早急な啓蒙活動が必要とのこと。この調査は日本全国の各業種における年商500億円未満の民間企業1000社を対象とし、7月に実施した。

マイナンバー制度への対応策を把握する中小企業は2割未満

 「マイナンバー制度」とは、国民一人一人に番号を割り振ることによって、税や社会保障に関連する行政による事務や手続きを効率化しようとする国の施策。国民に対して公正かつ正確な行政サービスを提供するためには個々人の収入を正確に把握し、それらをマイナンバーと関連付けて管理する必要がある。そのため、給与を支払う立場である企業側にとってはマイナンバー制度の施行に際して対応すべき事柄が生じることになる。


(ノークリサーチ提供)

 上のグラフは、年商5億円以上~50億円未満の中小企業層に対してマイナンバー制度の認知状況を尋ねた結果。「内容を理解しており、自社で対応すべき事項も全て把握している」と回答した企業は18.0%にとどまり、マイナンバー制度の施行に際して何をすべきかを認知している度合いは依然として低い状況といえる。

「具体的な義務」に関する早急な啓蒙が必要

 マイナンバー制度では、企業年金運用事業者などマイナンバーを自社業務において利用する「個人番号利用事務実施者」だけでなく、一般企業も「個人番号関係事務実施者」として税や社会保障関連の手続きにおいてマイナンバーの取り扱いが必要となる。


(ノークリサーチ提供)

 同レポートでは9項目を挙げ、それぞれの項目に対し一般企業において「対応が義務化される」「対応は任意である」「無関係の項目である」のどれに該当するかを質問している。このうち2項目について、年商5億円以上~50億円未満の中小企業層からの回答が上のグラフ。

 「源泉徴収票や被保険者資格取得届などに従業員のマイナンバーを記載する必要がある」については6割強の企業が「対応が義務化される」と回答している。実際、これは一般企業においても対応義務が生じる項目である。一方、「従業員だけでなく、その扶養家族のマイナンバーも把握する必要がある」については「対応は任意である」といった回答が最も多い。だが、これも一般企業において対応が義務化される項目である。

 マイナンバー制度において対応を義務づけられている内容に対し、企業の具体的な理解はかなり不足している状態といえる。従業員やその扶養家族のマイナンバーを企業が把握するとなれば、人事/給与システムだけでなく、セキュリティやデータ管理に関連する環境整備や社内啓蒙も必要となってくるだろう。

制度への対応期限に関しては「全く見当がつかない」と答える中小企業が6割強


(ノークリサーチ提供)

 「個人情報保護法」や「日本版SOX法」のように企業活動とそれに関連する情報システムに大きな影響を与える制度の施行は過去にも幾つか存在した。だが、個人情報保護法は一定数以上の個人情報を取り扱う事業者、日本版SOX法は基本的に上場企業が対象だ。

 「マイナンバー制度」はこれらとは異なり、社員や従業員に給与を払ったり、委託先となる個人に報酬を支払うといった行為を行う全ての企業が対象となるため、過去の制度と比べた時に影響の及ぶ企業数は非常に多い。

 現在のスケジュールでは2015年10月に個人に対するマイナンバーの通知が開始され、2016年1月には実際の利用が開始される。遅くとも利用開始の時点までには企業側の体制を整えておく必要があり、残された期間はわずかに1年余りとなっている。

 だが、こうした状況を認識できている企業はごくわずかにとどまる。年商5億円以上~50億円未満の中小企業層に対して、「マイナンバーの施行に合わせて一般企業が一連の準備を終えるべきと考える期限」を尋ねた結果が上のグラフ。「全く見当がつかない」といった回答が6割強に達しており、マイナンバー制度への対応スケジュールに関して中小企業側は全く白紙の状態ということになる。

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