Microsoftは米国時間10月20日、サンフランシスコでクラウド関連のイベントを開催し、Dellと提携して提供するAzureの垂直統合型サービス「Microsoft Cloud Platform System」を発表した。オンプレミスのデータセンターを運用したい顧客向けの製品となる。
筆者はこの夏に、Microsoftが「San Diego」という開発コード名で、「Cloud in a box(ハコに入ったクラウド)」の開発に再挑戦するといううわさを耳にしていた。
今回MicrosoftはハードウェアでDellと手を組み、「Windows Server 2012 R2」「System Center 2012 R2」「Windows Azure Pack」を搭載する事前統合済みのサーバーラックを顧客に提供する。Azure Packは元々「Windows Azure Services for Windows Server」と呼ばれていたもので、Azure技術と同等のオンプレミス機能を多く提供するものだ。これにはWebサイト、仮想マシン、サービスバスなどのサービスを管理できるセルフサービスポータル、「リソースクラウド」の管理ができる管理者向けポータル、拡張性のあるWebホスティングなどが含まれる。
Microsoft Cloud Platform Systemは11月より提供を開始する予定という。
MicrosoftがCloud in a boxソリューションを提供するのは、今回が初めてではない。2010年、Microsoftはプライベートクラウドをハコに入った状態で提供する「Windows Azure Appliance」の準備を複数のハードウェアパートナーと共に進めていると述べていた。しかし、この計画はMicrosoftがプロジェクトを打ち切ったことでその3年後になくなってしまった。
Microsoftのクラウド&エンタープライズ担当エグゼクティブバイスプレジデントのScott Guthrie氏は、現時点ではハードウェアパートナーはDellのみだが、提携は独占的なものではなく他のハードウェアベンダーにもオープンだと述べた。一方で、Dellとの協業を通じて実現した統合と認定は、大企業、政府、サービスプロバイダーなどの顧客に訴求できるとも続けた。
Microsoftの広報担当によると、Cloud Platform Systemの価格は「非公開」だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。