映像、放送関連企業だけでなく広く製造業にもアピールしたい
MCSは、個人向けに1ユーザーあたり5ギガのストレージ、月5ギガまでのアップロード、月10ギガまでのダウンロードまで無料のサービスを実施している。有料では、中規模、大規模ユーザー向けに段階的な料金設定を作っている。例えば、1テラバイトのストレージ、月1テラバイトまでのアップロード、月2テラバイトまでのダウンロードという設定では、チーム単位で月250ドルで利用可能だ。
Masek氏は、日本のソニー本社のマーケティング部門と連携して、利用に当たってカスタマイズを要する大規模ユーザーを顧客として増やしていきたいという。
「現在、日本企業のユーザーも多く利用してもらっているが、これからアプローチしていくユーザーは、放送、映像業界だけではなく、大量の設計データなどを抱え多くの人たちがコラボレーションする必要のある製造業などの企業にもアプローチしていきたい。グローバル展開している企業などでは、幅広いドキュメント共有、またそれらを使ったコラボレーションの場面でMCSは多くのメリットを提供できるはずです」とMasek氏は語る。
現在、MCSはさらに多様なアプリケーションを活用できるよう整備を進め、サードパーティーのアプリケーションも積極的に受け入れていくという。この他、データ転送する際の帯域のさらなる改善や、ユーザー管理ツールなどの整備も進めている。
プロフェッショナルが利用するサービスを、アイデア段階からわずか3年ほどでサービススタートさせることができたのは、インフラの部分に「AWSを活用したと点が大きかった」とする。
「開発途中で、AWSがネックになったことはなかった。わたしが最初にAWSを検証していたころは、わたしと同様AWSに少し懐疑的な人たちは多かったと思います。しかし今では、かなりのエンジニアがAWSに信頼を置き、さまざまなサービス開発に利用しようとしている」と指摘した。特に、予測不能の突発的な事態に対応しなくてはならないシステムに、(オートスケーリングを得意とする)AWSはきっと役立つと思います」(同氏)
過去にインフラ周りの仕事で苦労を重ね、それをバネに新しいサービスを誕生させたMasek氏の言葉は1つの参考になる。