日立製作所は10月27日、SaaS事業者やアプリケーション開発ベンダー、企業の情報システム部門などに、SaaS環境の立ち上げや運用の際に必要となる共通機能を提供し、グローバル対応のSaaS環境の迅速な構築を支援する「SaaSビジネス基盤サービス」を、10月29日から販売すると発表した。価格は個別見積もりで、10月31日から順次提供を開始する。
同サービスは、SaaS環境に共通的に必要となる機能を、インターネット経由での月額料金形態で利用できるサービス。国内外で約5万5000社が利用するSaaS形態の日立ビジネスメディアサービス「TWX-21」の構築や運用で培ったノウハウを基に提供してきた「TWX-21 SaaS事業支援サービス」を、ユーザー管理やアプリケーション監視などの各種機能を強化し、利用ログや問い合わせ履歴の解析サービスを追加するなどサービスを全面的に強化。新たに「SaaSビジネス基盤サービス」として提供する。
提供される各種機能は以下の通り。
「認証・ユーザ管理」(10月31日提供開始)
システムログイン時に複数アプリケーション間のシングルサインオンを実現するSAML(Security Assertion Markup Language)認証、利用ユーザーを制限できるIPアドレス制限など、SaaS環境における利便性とセキュリティ強化のための認証機能のほか、ユーザーIDの利用申請や変更、承認などのユーザー管理機能を提供。これらの機能を開発を伴わずに、インターネット経由で利用できるため、さらなる構築期間の短縮や運用コスト削減を可能にする。
「アプリケーション運用ナビゲーション」(2015年3月31日提供開始)
従来のアプリケーションの障害、予兆監視機能に加え、サービス稼働状況を示す性能やログなどのデータを収集、分析し、自動的に関連付けるアプリケーション運用ナビゲーション機能を追加した。これにより、インシデント発生時に確認すべきデータを自動的に取得し、高い技術力のエンジニア以外でも、システム上で推薦された手順に沿つて異常値の発見や問題把握を容易に行うことが可能。このため、SaaS環境の維持・運用にかかる業務負荷を軽減できるほか、障害復旧や予防保全の迅速化、効率化を実現する。
「SaaS対応ログ解析」(2015年上期提供開始)
アプリケーション利用ログやヘルプデスクヘの問合せ履歴、購買実績などの業務データを収集、保管して、データ解析するサービス。分析結果からアプリケーション機能の改善点を抽出することやユーザーニーズを把握することで、新サービスの開発など新たな価値創出を支援する。第一弾として購買分析に対応予定。
「カスタマイザブルデータ交換」(2015年上期提供開始)
サプライチェーンのグローバル化に伴い、グローバルに購買や物流といった多種データを効率的にやり取りできるシステムヘのニーズが高まっていることから、エンドユーザーごとに異なるデータ送受信プロトコルやデータフォーマットなどの設定変更を柔軟に行えるサービスを提供。
「課金管理」(2015年上期提供開始)
従来の定額制や従量制に加えて、条件別で段階的な従量課金設定や、エンドユーザー別に課金体系を個別カスタマイズできるなど豊富な課金モデルに対応し、SaaS事業者の課金管理にかかるシステム開発・運用コストを軽減する。
「BPOグローバルヘルプデスク」(2015年上期提供開始)
従来のヘルプデスクサービスに加え、今回、問い合わせログや操作ログの定期的な解析によるユーザーの利用パターンの改善提案や、システムオペレーションを代行するBPOサービスを提供。例えば、「アプリケーション運用ナビゲーション」を活用して、推薦される手順に沿つてシステムオペレーションを代行し、アプリケーションの過負荷による性能低下を未然に防止する。
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サービス概要図(日立提供)
なお、SaaS環境を既に運用している企業は、既存のデータセンターのサービス環境を維持したまま、「Hitachi Cloudセンタ」に接続して、「認証・ユーザ管理」や「アプリケーション運用ナビゲーション」などの各種機能の中から、必要な機能のみ選択して利用することが可能。
また従来と同様に、管理者の操作Web画面は日本語・英語・中国語に対応するほか、問い合わせ対応のためのグローバルヘルプデスクにおいて日本語・英語・中国語・タイ語の多言語に対応し、グローバルでの利用を幅広くサポートする。