日本ヒューレット・パッカード(HP)は11月6日、ワークロード特化型サーバ「HP Moonshot System」の新たなカートリッジの販売を開始した。販売開始となったのは、「ProLiant m350」「ProLiant m710」「ProLiant m400」「ProLiant m800」の4機種。
ProLiant m350は、サービスプロバイダー向けに開発されたAtom C2730を4ノード分搭載する高密度サーバカートリッジ。4.3Uのシャーシに180サーバ(1440コア)とMoonshotの中で最も高密度で多くのCPUコアを搭載できる。限られたスペース内により多くのコンピュートリソースを必要とするウェブホスティング環境に最適としている。
ProLiant m350(以下、HP提供)
ProLiant m710
ProLiant m400
ProLiant m800
Atomプロセッサ搭載のMoonshot向け専用製品として、従来よりも格段に低価格なRed Hat Enterprise Linuxサブスクリプションが同時に販売開始される。OSまで含めたエンタープライズクラスのウェブシステムを圧倒的に低い総所有コスト(TCO)で実現できると説明している。
ProLiant m710は、CPUとしてカスタマイズされたXeon E3-1284L v3を搭載し、GPUとしてIris Pro Graphics P5200を内蔵。すでに検証、実証済みのVantrix Media PlatformやHarmonic VOSと組み合わせて利用することで従来の業界平均と比べ20倍もコストパフォーマンスの高いビデオトランスコーディング能力を提供するという。
システムオンチップ(SoC)に統合されたGPUの性能を生かして、Citrix XenAppと組み合わせたサーバベースドコンピューティング(SBC)方式のアプリケーション配信基盤として使用できる。データセンター内で、Officeから高度なマルチメディアアプリケーションにいたるまで、あらゆるアプリケーションをホスティングして、エンドユーザーにサービスとして提供できるという。
ProLiant m400は業界初の64ビットARMサーバで、数年間にわたるユーザーの意見とARMエコシステムの拡大により誕生したという。HPのエンジニアリング基準とテストをクリアし、性能と品質が証明されているため、エンタープライズクラスのデータセンターの業務にすぐに導入できるとしている。
Moonshotの革新性とARM v8-A 64ビットアーキテクチャの能力を組み合わせることでメモリとI/Oスループットを最大化できるという。Applied Micro CircuitsのX-Gene Server on a ChipとCanonical Ubuntuを搭載し、電力や冷却、設置面のムダを省き、総所有コストを従来のラックサーバに比べ最大35%削減できると説明している。
リアルタイムアナリティクス向けとなるProLiant m800はデジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)を搭載し、パターン分析など、大量で複雑なデータのリアルタイム処理用に最適化された32ビットARMベースのサーバ。KeyStoneアーキテクチャベースのTexas Instruments製66AK2Hx SOCを搭載した。
ARM Cortex-A15クアッドコアと統合DSP、Canonical、HP 2D Torus Mesh FabricとSerial Rapid I/O(SRIO、帯域幅3Gbps、レイテンシ2.5マイクロ秒)を組み合わせて高いデータスループットを実現できるという。ProLiant m800をEnea Telco Development PlatformとeInfochipsのMultimedia Transcode Engineと組み合わせ、通信事業者向けにネットワーク機能の開発を迅速化する統合開発プラットフォームも提供する。通信事業者は新しいサービスのリリースを早め、ラックあたりの性能をATCAインフラストラクチャと比べ2倍に向上できるとしている。
製品 | 税別希望小売価格 |
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ProLiant m350(シャーシ、15カートリッジ/60ノード、スイッチ含) | 1603万3000円~ |
ProLiant m710(シャーシ、15カートリッジ、スイッチ含) | 1046万4000円~ |
ProLiant m400(シャーシ、15カートリッジ、スイッチ含) | 1104万9000円~ |
ProLiant m800(シャーシ、15カートリッジ/60ノード、スイッチ含) | 1534万3000円~ |