「Linuxは癌」発言から十数年--新生マイクロソフトのオープンソースの取り組み - (page 2)

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2014-11-28 06:00

 これは驚くべきことだ。.NETがLinuxで動作することは以前から知られていた。「GNOME」Linuxデスクトップインターフェースの開発者であるMiguel de Icaza氏は、「Mono」プロジェクトで、何年もかけて.NETのLinuxへの移植に取り組んできた。実は、de Icaza氏は現在、Microsoftが後援するオープンソース.NET Foundationの一員である。

 だからといって、MonoとMicrosoftの新しい.NETが統合されるわけではない。de Icaza氏はインタビューの中で次のように説明している。「完全な.NET FrameworkはWindowsにバンドルされるため、下位互換性の要件はかなり厳しくなる。したがって、彼らがパッチを受け付けたり、コミュニティーをそれに関与させたりすることはないだろう。われわれはこれをMonoの改善のために使うつもりだが、それはリードオンリーのアプローチだ」

 今では、根っからの皮肉屋は次のようなことを言っている。「Microsoftがこんなことをする唯一の目的は(自社の敵を)もう一度『取り込み、拡大させ、抹殺する』ことだ」

 Microsoftに関して、筆者よりひねくれた考え方をする人はそれほど多くないが、Microsoftが今回の取り組みで目指しているのは、そういったことではないと思う。

 2014年のMicrosoftは、1990年代や2000年代の姿ではない。今のMicrosoftは自社の条件をエンドユーザーに一方的に押しつけることはできなくなった。Microsoftが今していることを注視してほしい。

 オープンソースプロジェクトと連携し、自社のコードをオープンソース化しているだけでなく、「Office 365」の名の下に「Office」などの旗艦製品を「iPhone」や「iPad」、そして「Android」タブレットに提供している。

 今のMicrosoftは、競合を排除しようとするのではなく、連携する必要があるということを悟った企業だ。冗談を言っているのではない。筆者はMicrosoftが自己改革に努めていることを心から信じている。

 だが、このオープンソースに友好的な改革が成功するかどうかは、別の問題だ。とはいえ、この新しい道は、かつての独占的な手法にしがみつこうとすることよりも、成功の可能性がはるかに高いと思う。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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