聞き、予測し、組み立て、提供する
2013年、Adobeが開催したデジタルマーケティング カンファレンス、「Adobe Digital Marketing Summit 」にて、デジタルマーケティング事業部門担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、Brad Rencherは次のように述べています。
「マーケティングは、成長するデジタルテクノロジーとこれまでになく拡大する組織的能力により、非常にスピーディで複雑なものに変貌しつつあります。」
さらには、彼がよく引用するたとえ「The Last Millisecond(消費者が商品やサービスの購買を決断する際の最後の数ミリ秒のアクション)」の中で、Rencherは、マーケタ―がリアルタイムで何をすべきかについて触れました。それはすなわち、「聞き、予測し、組み立て、提供する」ことです。
つまり、あなたのサイトにおける、無数のユーザーエクスペリエンスや、その他の広がりを集計し、瞬時に必要な行動や選択の数を考えることです。このミリ秒での判断が、あなたのサイトにとっての愛好者か中傷者を生み出すかの分かれ目になるのです。そういった意味でも、このミリ秒におけるユーザ体験の情報は、われわれマーケッターにとって重要で、単に取り込み、処理し、(否定的な反応には)つばを吐きかければいい、というものではありません。
われわれ企業がリアルタイムのデータドリブンな決定に移行する際、マーケッターは引き続き重要な役割を務めることになります。われわれは皆、わくわくするような革新的な方法による変革を受け入れることを迫られますが、直感的なマーケッターやその他の意思決定者の、訓練や経験に基づいた創造性や仮説の生きる道は十分にあります。
ただし、それらは最適化フェーズの話であって、ブランドに対する顧客体験の開始フェーズではありません。開始フェーズは既に、マーケターやその他の意思決定者の手に負えるものではなくなっています。われわれはもはや、コンバージョンレートを追う企業が求めるような水準で、すべてを完璧に行うことはできないのです。
ですから、われわれマーケッターのやるべきことは、消費者の複雑な意思決定について培ってきた知見と経験を、効率的で効果的な自動化プロセスに変換することなのです。いつ、どこで、どのようにといった具体論はあなた次第ですが、近年のビッグデータの広まりや、多くの高度に進化したデータサイエンスの革新により、その答えはいかようにも準備されています。
つまり、何が明確で予測しやすく、何が不確定要素なのかを決め、それらの動きをリアルタイムでの選択や行動に落とし込むことです。これこそがデータドリブンな決定と呼ばれるものであり、マーケター主導の自動化による恩恵の例になるのです。