ホリデーシーズンに向けて作るサンタ宛ての欲しいものリストのに、タブレットコンピュータを入れる人は多いはずだ。そして、その多くは「iPad Air 2」や「iPad mini 3」だろう。
しかし、消費者市場が飽和しつつあることは、Appleが発表するiPadの販売台数の伸びが、この数四半期に鈍ってきていることからも分かる。今売れているiPadの多くは、旧世代からの買い換えであり、これは消費者モバイル業界が成熟し、タブレット市場全体の成長が鈍化していることを反映している。
Appleがタブレットのシェアをさらに伸ばすには、ほかの市場に進出する必要がある。最もチャンスがあるのは、法人向けビジネスアプリケーション市場や垂直統合市場だ。
これについては疑問の余地はない。同僚である米ZDNetのZack Whittaker記者は、Appleの2013年第3四半期の業績発表を分析する記事の中で、同社の最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏が、Fortune 500企業の99%が何らかの形でiPadを使用していると言及したことに触れている。その一方で、Cook氏は次のことも認めている。
これらの事業については、浸透率はまだ20%にとどまっており、これを向上させる余地がある。「両社(AppleとIBM)がこの方面から利益を得ることができる」とCook氏は述べ、もし浸透率を20%から60%に向上させることができれば、Appleは大きな利益を得られるとした。これは、現状ではMacが担っている部分だ。
しかし、企業での浸透率を20%から60%まで上昇させるのは容易ではない。
消費者向けデバイスとして驚くほどの成功を収めたiPadは、旧来の「Windows」ベースのデバイスや「Android」のデバイスに対抗しようとしているが、これらはどちらも非常に強力なOEMパートナーと、特定の顧客の要件に合わせてカスタマイズや適応がしやすい、垂直統合されたソフトウェア開発エコシステムを持っている。
iPadにはそのどちらもない。あらゆる面から見て、iPadは仕事には向かない道具だ。
x86アーキテクチャのWindowsには、従来のアプリケーションが利用できるという利点がある上、さまざまなプログラミング言語とツールが用意されている。Androidは完全なオープンソースであり、垂直統合的な使い方ができるよう、簡単に修正できる。
GoogleはAndroid以外にもオープンソースに大きく貢献している。この分野での同社のリーダーシップは有名だ。
また、MicrosoftのOSプラットフォームであるWindowsの大半はオープンソースではないが、Monoプロジェクトとの提携関係により、(特許付与について明示した上で).NETの大部分をMITライセンスでオープンソース化していることは、ソフトウェア開発者にとっては、クロスプラットフォームのサーバサイド(およびクライアントサイド)環境として魅力的だ。
この取り組みや、同社のほかのオープンソース関連、および互換性関連の取り組みを見れば、Microsoftがこの方面で基本的なパラダイムをシフトさせていることがわかる。Microsoftに最も批判的な立場の人たちでさえ、これについては認めざるを得なくなっている。