畿央大学、1人1台にSurface--操作方法を一切説明しない方針

NO BUDGET 2014年12月16日 10時26分

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 畿央大学では、教育現場におけるICTの活用を拡充すべく、学生の私的端末を活用するBYOD(Bring Your Own Device)でなく大学側で端末を調達して学生に貸与するCOPE(Corporate Owned, Personally Enabled)を実施、2014年度の新入生から全員に1人1台のPCを配布して運用を開始した。日本マイクロソフトが12月15日、ユーザー事例として公表した。

 畿央大学は、1946年に開設された「奈良県認可冬木文化服装学院」を前身として2003年4月に開学した新しい大学。現在は健康科学部と教育学部の2学部で医療と教育のスペシャリストを育成しており、それぞれの専門分野における国家試験の合格率は2014年度に理学療法士、看護師、助産師、管理栄養士の4国家試験全てで100%を達成、就職率も高いという。

 開学10周年という節目の2013年、大学では2014年4月から始まる1年を新たな進化の年と位置づけ、さまざまな取り組みを実施した。今回のモバイル端末配布はその一環。

 学習機会を最大化するためにはセットアップや初期化といった体験も重要と考え、BYODでなくCOPEでの提供を決定した。また端末には、機能や携帯性、信頼性、価格、品質、4年間の利用を前提にした耐久性など、約10項目の要求項目を設定。詳細に比較検討した結果、Microsoft Surface Pro 2を採用した。

 選定の主な条件は以下の通り。

  • Windowsを搭載していること
  • 故障率が低いこと
  • キーボードが付属していること
  • 通学時に携帯できるよう、軽量であること
  • バッテリーで5時間以上稼働すること
  • タッチパネルを搭載していること

 端末の確保には内田洋行が協力し、学生用および教職員用として予備50台を含む680台のSurface Pro 2を確保、2014年の入学式の翌日から一斉に運用を開始した。

 初日には、534人の新入生が数十名ずつに分かれて、大学の用意したマニュアルに沿ってロールアカウントの設定からネットワーク接続、履修登録画面の確認、メール設定確認までを実施、学生たち自らの手で無事に初期設定を完了したという。貸与された端末は、キャンパス内はもとより自宅などにも携帯して自在に活用できる。

 クラウド サービス「Microsoft Office 365 Education」を採用、メールやグループウェアのほか、大学院の遠隔講義システムや、学習成果の可視化と共有化を行うキャリアポートフォリオシステムの一部などに用いている。

 メールの設定はネットワークにアクセスしてExchange Onlineに接続するだけで完了、Office 365 ProPlusの活用によって学生も教職員も1人5台まで最新のOfficeをインストールでき、IDとパスワードさえあれば貸与されたSurfaceでも家族で使用しているPCでも、簡単に同一環境を呼び出せるなど、高い利便性が得られる。

 また、メールだけでなくドキュメントも全てクラウドストレージ「OneDrive for Business」に保存されるため、データの持ち出しに利用するUSBメモリの紛失事故なども減っているほか、万一ハードウェアの故障や破損が生じても交換対応も容易となる。

 大学側では、新年度開始に「授業において操作方法の説明は一切行わない」というユニークな方針で臨んだ。その結果、Microsoftの公式動画などで事前に操作方法を予習したり、学生同士で教え合うなど自発的な学習によって学生たちのICTスキルが著しく成長、多くのPCトラブル時の対応にも自信を持つまでに至った。


「操作方法は教えない」教育方針によって ICT リテラシーが飛躍的に向上

 文部科学省が複数の大学と連携して開発した「情報プレイスメントテスト」においても、7月に実施した結果では正答率が向上。「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度「という3つの学習目標すべてにおいて90%以上の正答率を記録した。また、自発的な学習の姿勢による効果は、他の教科においてもみられるという。

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