IDC Japanは12月18日、2015年の日本のIT市場の10大予測「Japan IT Market 2014 Top 10 Predictions」を発表した。クラウドやモビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャルという4つの技術で構成される“第3のプラットフォームが市場をけん引し、経営上重要な位置を占めるようになると予測した。
同社リサーチバイスプレジデントの中村智明氏は、第3のプラットフォームを企業のビジネス基盤にすることで利益重視型の経営を実現できると主張した。
リサーチバイスプレジデント 中村智明氏
現在、情報システム部門の7割は「運用」に時間を割き、競合への優位性を得るための投資が少ないと中村氏は指摘している。では情報システム部門はどのように変わればいいのか――。
ここで中村氏は明治安田生命の例を出した。明治安田生命では、クラウド化を推進してシステムの運用部分を一部アウトソーシングし、自社の運用コストを下げた。タブレット型の新営業端末を導入し、営業効率を上げるなど、利益に直結するユーザー部門のIT化を促進させている。プライベートクラウドの一部を5年の更新サイクルから3カ月の更新に変えるようなアジャイル化に取り組んでいることも紹介した。
これからは「運用コストの削減」「プロフィットセンターへの投資」「アジリティ(迅速さ)」の3つの要素がヒントになるとした。「第3のプラットフォームは全産業でイノベーションや市場拡大を支えるビジネス基盤となる」(中村氏)
2015年の日本のIT市場の10大予測は以下の通りだ。
- 国内ICT市場は微減傾向にあるが第3のプラットフォームの成長は続く
- エンタープライズモビリティの試用期間は終了し導入効果が厳しく問われる
- 2015年はクラウドネイティブ時代の幕開けとなる
- ビッグデータを活用したデジタルマーケティングに向けたIT投資が始まる
- 第3のプラットフォームはITインフラサプライヤーの自己変革を加速させる
- IoTプラットフォームを巡るサプライヤー間の覇権争いが激化する
- 企業内ITユーザー部門が主導する投資プロジェクトが増加する
- ニューワークスタイルに取り組む企業の増加と職業の再定義が始まる
- 次世代のセキュリティ技術の導入が進む
- 各産業のトップ企業が第3のプラットフォームをビジネスプラットフォームとして活用し始める