ルータと無線LAN機器が20%超の成長--IDC調査

NO BUDGET

2015-01-07 17:56

 IDC Japanは1月7日、ルータ、イーサネットスイッチ、企業向け無線LAN機器を含む国内ネットワーク機器市場の2014年上半期の実績と予測を発表した。2014年上半期の国内ネットワーク機器市場は、移動体通信事業者のLTE(Long Term Evolution)設備への継続的な投資に加えて、企業の設備投資の堅調さを背景とした企業向け市場の成長によって、2013年下半期から続く好調を維持した。


(IDC提供)

 通信事業者向け市場、企業向け市場のいずれも2014年上半期は好調で、市場全体では2010年以降で2013年下半期に次ぐ市場規模に達した。2014年上半期の通信事業者向け市場規模は801億5600万円で、2010年以降最も大きく、企業向け市場も2番目に大きい984億100万円となった。

 製品分野別ではルータ市場と企業向け無線LAN機器市場が大きく成長し、前年同期比成長率はそれぞれ22.3%、23.5%。また、イーサネットスイッチ市場も前年同期比成長率6.4%と堅調に成長した。

 ベンダー別シェアは、いずれの市場においても総じて大きな変動はないが、LTEの基地局展開に関わるイーサネットスイッチ需要が堅調な日立金属やNECが、通信事業者向けイーサネットスイッチ市場でシェアを伸ばした。

 またNECは、企業向けルータ市場においても、大型案件の受注によって売上を大きく伸ばしシェア増加に成功している。

 今後の国内ネットワーク機器市場について、同社では2014年~2018年にかけて上昇基調が続くとみている。ルータ(コンシューマー向けを除く)、イーサネットスイッチ、企業向け無線LAN機器を合計した市場規模は、2018年には3905億4200万円にまで拡大し、2013年~2018年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は、2.9%と緩やかな成長を続けると予測。

 企業向け市場においては、データセンター向けイーサネットスイッチと一般企業向け無線LAN機器市場が成長をけん引し、通信事業者向け市場では、LTEサービスの広帯域化に伴う設備増強需要と次世代NGNサービスへの投資が鍵になるとした。

 同社コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は、企業向けネットワーク機器ベンダーに向けて、以下のようにコメントしている。

 「企業ネットワークをより効率化し、使いやすく、かつ強固にする企業ネットワークの“モダン化”を、積極的に顧客に推進すべきである。幅広いユーザーにネットワーク技術の進化とそのメリットを享受してもらうことは、企業のネットワーク活用を一段引き上げ、さらにはネットワークに対する投資に積極性を与える」

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