冒頭の発言はこのコメントのエッセンスである。「目利き」および「プラスアルファの専門力」という言葉が強く印象に残った。果たして有言実行できるか。田中氏の経営手腕に注目しておきたい。
「モバイルユーザーは個人情報を知らないうちにアプリに提供しているケースが少なくない」 (シマンテック 植山周志 マーケティングマネージャー)

シマンテック マーケティングマネージャー 植山周志氏
シマンテックが先ごろ、モバイルアプリのセキュリティやプライバシーリスクに関するユーザー意識調査の結果を発表した。同社ノートン事業統括本部のマーケティングマネージャである植山氏の冒頭の発言は、その発表会見で、調査結果から明らかになった問題点について指摘したものである。
同調査は日本を含む世界9カ国のモバイルユーザー約6000人を対象に2014年10月中旬に実施したもので、次のような実態が明らかになった。
- 世界のユーザーは、銀行口座情報(70%)、ユーザー名/パスワード(70%)の漏えいを最も懸念しているが、日本のユーザーは連絡先情報(64%)の漏えいを最も懸念している。
- 世界では37%、日本では31%のユーザーが、スマートフォンのウイルス感染を全く懸念していない。また、4人に1人がアプリをダウンロードする際、何の規約に同意しているのか全くわからないと回答している。
- 世界では63%、日本では69%のユーザーが、スマートフォンのウイルス感染を懸念している。しかし、そうしたユーザーでも、連絡先や健康関連、端末の利用状況などの個人情報についてアプリにアクセスを許可している。
- 世界では46%、日本では51%のユーザーが、アプリのダウンロード規約に同意する際、位置情報以外の情報提供に同意した認識が不十分である。
植山氏はこうした調査結果について、「多くのユーザーが無意識のうちにプライバシーを犠牲にして個人情報を危険にさらしている。実際、モバイル端末のプライバシーを懸念しているユーザーの多くが、無料アプリのダウンロードと引き換えに個人情報を提供してしまっており、自分自身を守るための予防策を講じていないことが判明した」と語っている。
ちなみに、シマンテックはこれらの対策として「ノートン モバイルセキュリティ」という製品を提供している。
今回の意識調査は一般のモバイルユーザーを対象にしたものだ。ただ、企業のモバイル利用においても、私物の端末を業務で利用するBYOD(Bring Your Own Device)を適用している場合はチェックしておく必要がありそうだ。