中国語では数碼街、日本人向けには電脳街と呼ばれる中国各地のパソコンショップ街が、オンラインショップの台頭で窮地に貧している。特に中国のシリコンバレーと現在進行形で呼ばれている北京の「中関村(ジョングワンツゥン)」は酷い状況だ。中関村はハイテクパークの側面もあるものの、北京の中心からは遠いため、他の都市よりもフロアの空洞化が目立つ。パソコンだけでなく、スマートフォンフロアですらも、空きテナントがあり、状況は深刻だ。
閑散としたフロア
中国各都市の電脳街・数碼街は、無数のパソコンショップがテナントに入るビル「数碼城」数棟がランドマークとなっている。1階は有名メーカーのノートパソコンフロア、2階がデジタルカメラなどデジタル家電フロア、3階が自作パソコンフロア、4階がケーブルなどのアクセサリフロアとなっている。地下1階があれば、携帯電話、今ではスマートフォンフロアとなる。4階以上の数碼城もあるが、華のあるテナントや製品ジャンルが1階にあり、上にあがっていくと地味になる点では共通している。が、1階2階など、テナント料が高くオンラインショッピングと完全に競合するフロアのほうが撤退するテナントが多い。ドーナッツ現象というのだろうか。入口がもぬけの殻で、上階にいくと店舗がなんとかある。一部のビルは、上階フロアを閉鎖し、オフィスフロアに変えた。
華のあるはずの1階フロアが最も寂しい
修理やデータ修復のサービスの店も畳んでいる
スマートフォンフロアにも空きテナント
改めて過去に筆者が中関村に訪問した時のメモや写真を見返してみると、客足がまだあった2008年頃には既に、ぼったくりが横行し、信用に傷がついていると警鐘をならす地元メディアの記事が掲載されていた。あれから7年近くが経過。中国の物価上昇は続き、テナント料も下がる傾向は見られない。現在も中関村で騙されたというニュースが報じられている。そこからはより少ない客からより大きく騙そうとしている傾向がみてとれる。
2008年時のフロア
2014年末では、テナントはあっても客はなくがらんとしている