クラウドディザスタリカバリなど新サービスを発表--ヴイエムウェア

NO BUDGET

2015-01-27 10:39

 ヴイエムウェアは1月21日、ハイブリッドクラウドサービス「VMware vCloud Air」に、機能強化した災害復旧(DR)サービス「VMware vCloud Air Disaster Recovery」とネットワークサービスを追加すると発表した。オンライン登録だけで使用したリソース分だけを支払える「VMware vCloud Air Virtual Private Cloud OnDemand」の一般提供を開始することも併せて明らかにしている。

 さらに、新サブスクリプション購入プログラム「Subscription Purchasing Program」も発表。ユーザーは契約内容に基づく費用を予測できるとともに、使用したクラウドリソース分のみを支払える。

 vCloud Air Disaster Recoveryは、1時間以内に導入でき、仮想マシン(VM)やデータをvCloud Air上に複製する。災害が発生してもすぐに利用できる仮想データセンターを構築できる。米国と英国のデータセンターで2015年の1月から提供を開始する。日本からの利用も可能としている。

 本サービスの新機能は以下の通り。

・ネイティブ フェールバックへの対応

 vCloud Airにフェイルオーバーした環境を、プライマリデータセンターで簡単に再開できる。ネットワークを通じてワークロードをvCloud Airからユーザーのプライマリ環境に複製することで、通常のシステム運用を再開する。

・複数のリカバリポイント

 自社データセンタ環境の複数世代前のスナップショットへとロールバックできる。この機能は、直近のリカバリポイントへの脅威となるデータ破損やウィルス/ハッキングの攻撃によるシステム停止からの復旧に重要な役割を担う。

・セルフサービスによる自動化

 新しいvRealize Orchestrator DRプラグイン、オープンソースのDRコマンドライン インターフェース(CLI)、拡張されたREST APIを活用し、フェイルオーバー作業を効率化するための復旧計画の定義および導入が可能になる。

・vCloudのネットワークサービス

 vCloud Airのネットワーク サービスにおけるセキュリティ強化とアイソレーション機能の実現のために、ネットワーク仮想化プラットフォームに「VMware NSX」を実装。パブリッククラウド上で先進的なネットワークサービスの提供を可能にする。

・vCloudの先進的なネットワークサービス

 vCloudの先進的なネットワークサービスは、米国と英国のデータセンターで2015年の1から提供を開始する。日本からの利用も可能。

 主なメリットは以下の通り。

・きめ細かく設定できるネットワーク セキュリティグループとアイソレーション

 セキュリティグループを定義することにより、複数の個別の仮想ネットワークを作成しなくても、ステートフルなネットワーク トラフィック アイソレーションが可能になる。このパブリッククラウド向けの独自の機能により、アプリケーションやVMに障害が発生した場合に、内部の利用者や外部からの侵入者によるネットワークへの完全なアクセスを防止する「ゼロトラスト」セキュリティモデルを導入できる。

・ダイナミック ルーティング

 vCloud Airでは新たにBorder Gateway Protocol(BGP)やOpen Shortest Path First(OSPF)ベースのルーティングに対応。オンプレミス環境とクラウド環境の間のネットワーク接続を簡素化するとともに、クラウドホスト型のアプリケーション導入における冗長性や継続性を向上する。

・その他のネットワーク強化

 最大200のエンドポイントまで展開可能なネットワークの拡張性の強化、ポイントとサイト間の接続を可能にするVPN機能の強化、HTTPSに対応したことで強化された負荷分散機能などが新たに追加されている。

・vCloud Air Virtual Private Cloud OnDemand

 vCloud Air Virtual Private Cloud OnDemandはすでに利用可能。オンライン上で簡単に登録でき、クレジットカードやサービス契約を通じて従量課金モデルで支払える。個人利用者は登録時に提供される300米ドル相当の無料サービスを通じて、POCの実施やアプリケーション展開できる。

 事前のリソース確保や先行投資は不要で、実際の利用料(1分単位)を月単位で支払う。価格は、8GB分のRAMと2つの仮想CPUを備えたVMで、1時間あたり0.17米ドルから。

・サブスクリプション購入プログラム(Subscription Purchasing Program)

 VMware Subscription Purchasing Program(SPP)は、クラウドサービスの利用量を事前に設定できる利用モデルに加え、実際に使用したクラウドサービス分だけを支払う形で柔軟性を兼ね備えたプログラム。ユーザーは事前の一括払い、または月賦払い(2015年下半期より提供開始予定)でSPPファンドを設定できる。

 また、一定量を契約することで割引を受けることも可能。このプログラムを通じて、ユーザーはファンドで設定したリソース量の中から、クラウドサービスを実際に使用した分のみを支払える。必要に応じてファンドの上限を増やせる。SPPは現在利用可能で、vCloud Air OnDemand ServiceやHorizon Airなど、VMwareが提供するすべてのクラウドサービスが対象となる予定としている。

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