IBMは米国時間1月28日、個人情報の保護に役立つ暗号化アルゴリズムである「Identity Mixer」と呼ばれる技術を、同社の「Bluemix」クラウドプラットフォーム上で開発者に提供すると発表した。
この技術は、年齢や生年月日、住所、クレジットカード番号など、認証対象となる個人データを暗号化アルゴリズムによって秘匿化し、第三者に対して本当に必要な情報だけを共有するというものだ。IBMが公開しているデモ動画では、映画ストリーミングサービスを利用しようとした16歳の子どもが、年齢確認の際に他の個人情報を明かすことなく必要な情報のみを共有できるようになる例が示されている。
またこの他に、政府などの第三者機関によって認証された、Identity Mixerを用いたデジタルウォレットの例も示されている。この技術は今までスマートカードでデモされていたが今回、クラウドサービスとして開発者に提供されるようになった。
IBMによると、Identity Mixerを採用することでユーザーの個人情報を保有する組織の数を減らせるため、サイバー攻撃の抑制に役立つはずだという。
また同社によると、ドイツとオーストラリアでこの技術の大規模な実証試験が進行中だという。ドイツでは、ドイツ赤十字社がIdentity Mixerを用いて、家庭内のセンサからデータを収集するとともに、医療記録や家族の連絡情報といった顧客データを集積している。Identity Mixerはプライバシーを保護するうえでの仲介役となる。
提供:IBM
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。