データセンターサービス事業を手掛けるビットアイルは2月5日、東京・文京区に同社5番目のデータセンターを3月1日に開設すると発表した。飯田橋から徒歩10分の立地の良さと災害対策、7389平方メートルの延べ床面積に1440ラック規模の拡張性、新空調方式を用いた省エネなどを特徴としている。
データセンターのエネルギー効率を示す電力使用効率(Power Usage Effectiveness:PUE、IT機器による消費電力に対する データセンター全体の消費電力の比率を示した値。低いほど効率が良い)は水冷や外気冷房、ツインフロア空調システムといった技術を組み合わせたハイブリッド空調方式により1.4以下に抑えた。
通常、オフィス内のサーバルームのPUEは2.5以上、一般的なデータセンターでは1.8~2.2、都心の省エネ型データセンターでも1.5~1.7といった数値が一般的。
今回「第5データセンター」として拡張した背景として、プライベートとパブリックの両クラウドを組み合わせて企業が基幹システムを構築するハイブリッドクラウドへのニーズが高まっているという事情がある。
ポイントとなるのは、顧客企業の拠点との連携だけでなく、Amazon Web Services、Microsoft Azure、Nifty、Softlayerの他社クラウドサービスと専用線をつなぎ、直接接続できるようにしていること。12月には、他社クラウドとの接続をサポートするサービス「ビットアイルコネクト」を展開している。
さらに、ユーザー企業の独自環境を「OpenStack」を使ってデータセンター内に構築する「ホステッドプライベートクラウド」を展開し、これを上記4社のパブリッククラウドサービスと、ビットアイルコネクトでつなぎ合わせた上で、APIでユーザー企業のシステムと連携できるようにした大規模実証環境を3月から提供する。