Windows 8で導入されたMetroのホーム画面にも、同じレベルでの対応が見える。Windows 8には古いデスクトップも残っていたが、多くのユーザーはライブタイルを使ったタッチ操作に焦点が当てられたことを嘆いた。Microsoftはこの短期間で、デスクトップを再びWindows 10の中心に据えた。タッチ操作のしやすさは維持されているが、以前よりも目立たない形になっている。
モバイルへの取り組み
「PCは死んだ」と言われるが、実際にはPCはまだよく使われているし、Microsoftも消えることはない。それでも、モバイルはすでにテクノロジ業界で大きな存在になっており、今後もそれは変わらないだろう。近年のMicrosoftの取り組みは、同社がモバイルを重要だと位置づけていることを示している。
同社がどれだけモバイルへの取り組みを強めているかを理解するには、主要なモバイルプラットフォームを見てみればいい。Microsoftはすでに、「iOS」にも、「Android」にもソフトウェアを供給している。
「iTunes」のApp Storeを見れば、iPhoneとiOS用に40種類以上のMicrosoft製アプリがあるのが分かるはずだ。これには、同社の主要なソフトであるOfficeアプリ「Word」「Excel」「PowerPoint」「OneNote」も含まれている。MicrosoftがiOSに供給しているソフトは、ただ数が多いだけではない。そのうち5つは、普段からダウンロードランキングの上位に位置している。
同様にAndroidのPlayストアにも多くのMicrosoft製アプリが供給されており、iOSで人気を集めているOfficeアプリもリリースされた。同社は、自社の製品を主なモバイルプラットフォームに供給する必要があることを明確にしており、目覚ましいスタートを切っている。
目覚ましい勢いで前進するMicrosoft
Microsoftの取り組みは素早く、見ていて感心させられる。しかも、その分野は限定されていない。同社は幅広い領域で新たな製品やサービスを提供している。前述のWindowsに加え、同社は「OneDrive」で一般ユーザー向けのクラウドサービスを前進させたが、これはモバイル分野での取り組みの基礎にもなっている。
同社のスマートフォンに関する取り組みも、決して遅くはない。MicrosoftはWindows 10をPCからスマートフォンに持ち込もうとしている。新しいWindowsはデスクトップ、スマートフォン、モバイルPCのベースとなることになり、まもなくあらゆる形態のコンピュータで動作し、一般消費者と企業の手に渡ることになる。
Microsoftのイノベーションは、AppleやGoogleの強力なライバルになり得る。AppleとGoogleはテクノロジを主に自社のプラットフォームでのみ展開しているが、Microsoftはその両方のプラットフォームでも大きな存在感を示しつつある。
一見、競争は煮詰まっており、製品ラインの進化は緩いように見えるが、Microsoftは製品とサービスの両方の面で大きな変化の最中にある。同社は状況を動かしつつあり、しかもその速度は猛烈だ。今後はMicrosoftに注目していく必要があるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。