クラウドより一歩進んだストレージソリューション「Lima」とは

Frances Marcellin (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2015-02-25 06:00

 フランスのテクノロジ業界が、今回のCES 2015でイノベーション賞が発表されたのを見て驚いたことは間違いない。「Lima」は、どこにいても、ネットにつながったすべてのデバイスからすべてのコンテンツにアクセス可能にすることで「デバイスの働きを再発明する」ことを謳っており、「コンピュータ周辺機器」部門と「ソフトウェアおよびモバイルアプリ」部門の両方でイノベーション賞を獲得した。これは、Limaのテクノロジがハードウェア製品とソフトウェア製品の2つの性質を併せ持っていることを示している。

クラウドからのステップアップ

 パリを拠点として活動し、Gawen Arab氏と共同でLimaを創立したSeverin Marcombes氏は、「Limaは、コンテンツをデバイスではなくユーザー自身に結びつけることで、デバイスの働きを劇的に変える製品だ」と述べている。

 この製品は「Dropbox」やその他のクラウドストレージサービスと比較されることが多いが、同氏らはその違いを指摘する。Dropboxは仮想的なUSBキーと言うべきもので、インターネット経由でアクセスでき、ファイルは手動でコピーする。また、Dropboxは月額レンタルのサービスであり、これはユーザーがストレージを所有していないことを意味する。

 Marcombes氏によれば、プライベートデータセンターのようにファイルをローカルに保存するLimaは、クラウドより一歩進んだものだという。「Limaは複数のデバイスで利用できる共有フォルダではない。これは各デバイスのストレージをすべて集めたものだ。Limaはユーザーを中心とするパラダイムへの完全な変化を意味する。Limaの魔法は、デバイスがファイルを保存する方法を変えることで、ユーザーが習慣を変えなくても、すべてのデバイスが同じ参照ストレージを使用できるようにするソフトウェアにある」と同氏は述べている。

 Limaはルーターに接続されるため、クラウドと同じように、ユーザーは世界のどこからでもLima上のファイルにアクセスできる。どのデバイスからでも、すべてのコンテンツにアクセス可能で、ファイルは同じ形で整理されているように見える。このサービスを使うと、デバイスがネットに接続されていれば、スマートフォンからでもデスクトップPCからでも、すべてのコンテンツにアクセスできるようになるため、デバイスのストレージサイズは重要な問題ではなくなってしまう。

 また、このシステムを使えば、仲間と共同作業をする際、大きなファイルでもすぐに送ることができ、サイズの制限を心配をする必要もない。さらに、データを常にバックアップされた状態に保つことができる。Limaは各ファイルの古いバージョンを維持しており、開発チームによれば「2クリック」でアクセスできる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  4. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  5. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]