WordPressプラグイン「WP Slimstat」に深刻な脆弱性--100万以上のサイトに影響

Charlie Osborne (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-02-26 11:17

 WordPressのコンテンツ管理システムを利用するウェブサイト用のプラグイン「WP Slimstat」に、サイトの乗っ取りを可能にする極めて危険性の高い脆弱性が発見された。影響を受けるサイトは100万件を超えるとみられている。

 この脆弱性は、セキュリティ企業Sucuriの研究者であるMarc-Alexandre Montpas氏によって、米国時間2月24日にセキュリティアドバイザリの形で公表された。脆弱性の影響を受けるのはWP Slimstatのバージョン3.9.5以前。最新版の3.9.6は影響を受けない。

 WP SlimstatはWordPressにアナリティクス機能を追加するプラグイン。サイト上のアクティビティ、ヒートマップ、訪問者のプラットフォームやブラウザの種類、IPアドレスの地理情報などをリアルタイムに解析してログに記録する。WP SlimstatはWordPressのプラグインディレクトリから無料でダウンロード可能で、d同ディレクトリによると累計ダウンロード数は130万を超えている。

 WP Slimstatは、サイト訪問者のコンピュータとの間で送受信されるデータに秘密鍵で署名する。しかしMontpas氏は、この秘密鍵がプラグインのインストールのタイムスタンプをハッシュ値に変換したものに過ぎないことを発見した。そのため、攻撃者はInternet Archiveなどのサイトを通じて、標的のサイトがインターネット上に初めて公開された西暦を特定するだけで、簡単に秘密鍵を解析できてしまうという。解析対象の値はおよそ3000万件に及ぶが、今日のコンピュータを使用すればものの10分足らずで処理できるとMontpas氏は述べている。

 秘密鍵を手に入れた攻撃者は、標的のサイトにSQLインジェクション攻撃を仕掛けることができる。攻撃が成功すると、データベースの制御を奪われ、ユーザー名やパスワードのハッシュ値などを窃取されるだけでなく、最悪の場合はサイトを完全に乗っ取られる可能性がある。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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