牛も「コネクテッド」に--機械学習の力が分かる3つの活用事例

Nick Heath (TechRepublic) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-03-31 06:15

 どのようなビジネスの中にも、有用な情報が潜んでいる。農場経営者であれば、乳牛の繁殖時期がいつかという情報であったり、小売店であれば、炭酸飲料がよく売れるのはいつかといった情報だ。

 しかしそうした情報を手に入れるには、大量のデータのふるい分けが求められる場合がある。それらのデータ全てをフィルタにかけて、有用な洞察へと変換する必要があるということだ。そこで登場するのが、機械学習である。

 機械学習というのは、コンピュータにデータの構造や意味を理解する方法を教えるプロセスだ。

 機械学習を実行するシステムを作成する場合には、データのクリーニングや関連付け、分析といった一般的な方法があるが、Microsoftは最近、そうした作業を支援するサービスを備えたプラットフォームを立ち上げた。

 「Azure」クラウドを基盤とするMicrosoftのサービスでは、企業は、データの整理と人工知能アルゴリズムへのフィードを行うツールを使って、機械学習アプリを開発することができる。この人工知能アルゴリズムは、検索エンジン「Bing」や、「Xbox」のレコメンドエンジンなどの製品で採用されているものだ。

 こうしたアプリケーションの作成には、RやPythonといったプログラミング言語を使うことができる。または、ブラウザベースのGUI内で、ドラッグアンドドロップツールとドロップダウンメニューを使って作成することも可能だ。

 ユーザーは、自分の機械学習アプリケーションをマーケットプレイスで共有できる。現在は、顧客離れの予測からテキスト分析まで、30以上のアプリケーションが公開されている。

 Microsoftの機械学習担当コーポレートバイスプレジデントのJoseph Sirosh氏は、「マーケットプレイスで目的のAPIを購入し、それをわずかな行数のコードで自分たちのウェブサイトに統合することが可能だ」と語っている。

 「われわれが作ったのは、機械学習APIのためのクラウド上のアプリストアのような体験だ」(Sirosh氏)

 Microsoftによれば、アプリケーションのプラットフォームへのデプロイは数分で完了するという。アップデートや再デプロイも可能だ。

 Sirosh氏は、このサービスによって、企業が機械学習を使い始めるのに必要なスキルが少なくて済むようになればと考えている。

 「作成されるアプリケーションが少なかったのは、非常に大変な作業が必要だからだ。その価値を十分に活かすことのできる企業はごくわずかだった。このサービスは、機械学習を大衆化し、手の届きやすいものにする」(Sirosh氏)

 Microsoftの「Azure Machine Learning」システムは、2014年7月からプレビュー版が公開されており、Microsoftは、何万もの顧客からのフィードバックに基づいて、サービスを改善してきた。

 Microsoftは、このサービスを競合プラットフォームと連携させて、Googleの「BigQuery」やAmazonの「Relational Database Service」といったMicrosoft以外のソースから簡単にデータを取り出せるようにしなかったことについて、批判を受けている。Sirosh氏は、ユーザーは現状でも、独自のモジュールを作成すれば、自分で選んだソースからデータを取り出せると述べている。またMicrosoftは新しいソースとの連携の準備を進めているとも語っている。

 では、顧客はこのプラットフォームでどのようなことをしているのだろうか。次に、世界中の企業による機械学習の活用例を3つ紹介する。

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