牛も「コネクテッド」に--機械学習の力が分かる3つの活用事例 - (page 2)

Nick Heath (TechRepublic) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-03-31 06:15

牛をインターネット接続する

 牛の繁殖は難しい仕事だ。受精最適期は短く、21日おきに12~18時間しかない。そのタイミングを見極めるために、畜産農家は数十頭、あるいは数百頭もの雌牛を監視しなければならないこともある。

 日本では、畜産農家がそれぞれの雌牛の発情開始を知るために、ハイテクを活用したソリューションを採用している

 11軒の畜産農家が、雌牛にインターネット接続した歩数計を装着させており、この歩数計が毎日歩いた歩数をAzure Machine Learningシステムに報告するようになっている。このシステムでは、雌牛の動きを監視して、雌牛が発情した時に起こる、歩数の急増を見つけるという学習が行われている。雌牛が発情すると畜産農家にはテキストメッセージでアラートが送られてくるので、最適な時期に人工的に種付けを行うことができる。

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日本でのプロジェクトに参加する牛たち
提供:Fujitsu/MTN/Microsoft

 このシステムは、排卵開始を95%の精度で検出でき、参加した畜産農家全体では、出産頭数が平均12%増加している。畜産農家はまた、発情の兆候を自分たちで監視する必要がなくなったため、時間の余裕ができたとしている。

 このプロジェクトにおけるMicrosoftのパートナーである、富士通の研究チームは、受精のタイミングと、子牛の性別の関連性も発見した。受精最適期の前半に妊娠した場合には、雌の子牛が生まれる可能性が高く、後半の場合には雄の可能性が高い。この発見は、畜産農家が、飼育する雌牛と雄牛の数をコントロールするのに役立っている。

 Machine Learningシステムは、健康上の問題を見つけるのにも使われている。富士通は、歩数のパターンから、約8種類の牛の病気を検出できたとしている。

エレベータを動かし続ける

 ドイツに本拠を置くThyssenKruppは、世界中で110万基以上のエレベータを管理しており、ニューヨークのワン・ワールド・トレード・センターや、サウジアラビアのリヤドで1263フィート(約385m)という同国一の高さを誇るCMAタワーなどの象徴的なビルでエレベータを稼働させている。

 こうしたエレベータを稼働し続けるというのは、24時間休むことのない仕事である。同社は2014年からMicrosoftと協力して、自社のエレベータやエスカレーターから送られてくるデータをAzureクラウドプラットフォームにフィードし、「Microsoft Azure Intelligent Systems Service」を用いて情報を残すとともに、Azure Machine Learningシステムで情報の意味を理解するという監視システムを構築している。

 その目的は、故障する前に、修理が必要な箇所を見つけたり、エンジニアに、現場ではどういった作業が必要かをアドバイスできるシステムを開発したりすることだ。

 ThyssenKruppは、自社のエレベータからの情報を監視することで、メンテナンスの時期や対象を計画する。数カ月ごとに定期点検をスケジュールしておくのではなく、それぞれのエレベータの動作状況にあわせて、点検の頻度や内容を決める。このエレベータの動作状況を管理するのが、Azure Machine Learningサービスの役目である。ここではエレベータのドアが開く頻度や、そのエレベータを動かすのに消費するエネルギーといった細かいデータを監視する。

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