NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は3月30日、ユニファイドコミュニケーション(UC)をSaaSとして提供する「Arcstar UCaaS Microsoftタイプ」を、4月13日から提供すると発表した。UCは、電話やウェブ会議、チャット、在席確認などのコミュニケーションツールを一体的にしたもの。
NTTコミュニケーションズ 取締役 ボイス&コミュニケーションサービス部部長 丸岡亨氏
NTT Comは2011年からSaaS型UC「Arcstar UCaaS」を提供し、現在159の国と地域に展開している。これまではCisco SystemsのUC基盤「Hosted Collaboration Solution」をベースにしていた。今回のArcstar UCaaS MicrosoftタイプはUC基盤ソフトとして「Microsoft Lync」(「Skype for Business」への名称変更を予定)を活用する(従来のArcstar UCaaSは今後「Arcstar UCaaS Ciscoタイプ」に名称を変更する)。
Arcstar UCaaS Microsoftタイプは電話やチャット、在籍確認、ウェブ会議などLyncの機能をNTT Comのクラウド基盤上で提供する。顧客の拠点間やクラウドと接続する仮想専用網(VPN)サービス「Arcstar Universal One」とともに提供することで、これらのUCの基盤をグローバルで一挙にサポートできるようになるという。
今回、Microsoftと連携した理由について、NTT Com取締役でボイス&コミュニケーションサービス部部長を務める丸岡亨氏は「Microsoft Office 365ユーザーなどを中心としたユーザーからの強いニーズがあった点を強調した。「アプリケーション単体で選ぶという顧客は少なく、自社で利用しているアプリケーションと連携したいという声が多い」(丸岡氏)
Arcstar UCaaS Microsoftタイプの特徴として、NTT Comのネットワークを介してユニファイドコミュニケーションを提供するほか、サービスの導入や運用、保守などを手掛けるサービスを持つ点、2014年1月にNTT Comグループに参画した会議系サービス事業者Arkadinの技術と、グローバル展開やオペレーションのノウハウを活用する点などを挙げている。
連携の肝となるMicrosoftのビジネスアプリケーションとの連携については、Office 365などで過去にメールを送った相手を検索し、席にいるか確認してチャットしたのち、関係者を呼んでウェブ会議に移行するなどの展開が一挙にできる機能を持つ。会見では、シンガポールとのオフィスとの通信デモがあり、メールやウェブ会議といったアプリケーションの連携しやすさや、海外とのコミュニケーションのスムーズさをアピールした。
今後Arcstar UCaaS Microsoftタイプは、米国や欧州、シンガポールなどアジア太平洋エリアへ順次展開する予定という。