教育機関向けOffice 365の国内ユーザー,220万を突破--学術認証基盤と連携へ

大河原克行 2015年02月25日 08時00分

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 日本マイクロソフトは2月24日、教育機関向けに提供しているクラウドサービス「Office 365 Education」の利用者数が2014年12月末で220万人に達したことを明らかにした。Office 365 Educationの特典として提供している「Student Advantage」で、より簡単に利用できる「セルフサインアップ」の提供も開始した。

 Office 365 Educationはメールやウェブ会議、ドキュメント編集、オンラインストレージなどの機能をクラウド経由で利用できるサービス。2012年6月から学生や教職員といったユーザーに無償で提供。2014年5月時点で国内100大学170万人の利用に達したと発表していた。7カ月間で利用者が50万人増加したことになる。

 日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター統括本部 文教本部長の中川哲氏は「Officeはこの1年間でも数多くのアップデートを行っている。その中で国内にデータセンターを展開していること、iPadやiPhone、Android端末でもOfficeが利用できる“Office for Mobile”の提供を開始したこと、教育分野向けに“OneNote”の提供を開始したこと、そして、Student Advantageの利用促進も利用者増加に貢献している」と背景を説明した。

 「高校、大学の学習者は合計で618万人。そのうち35%の学習者がOfficeを利用していることになる。この7カ月間は1日あたり2380人増加した計算になる。児童や生徒、学生、教職員が利用するクラウドとしては国内最大級。2位は姿が見えないほど離れている」(中川氏)

複雑さをシンプルに

 Student Advantageは2013年12月1日から提供。教育機関で包括契約(EES/OVS-ES)を持ち、教育機関の教職員全員数の「Office 365 ProPlus」か「Office Pro Plus」のライセンスを持っていれば、その教育機関で学習する学生、生徒などは無償でOfficeを利用できるというもの。

 学生は、個人所有のデバイスを含めて、1人あたり5台のWindowsとMac、5台のタブレット、5台のスマートフォンに最新のOfficeをインストール、ダウンロードして利用できる。新たに提供するセルフサインアップは、Student Advantageの利用を促進するための施策のひとつになる。

 現在、Student Advantageは28万人が利用者しているが、「185万人の学生がStudent Advantageを利用できる環境にある。包括契約をしている学校に通っている学生の数と比較するとまだまだ少ない。日本マイクロソフトの努力不足ともいえる」(中川氏)

 利用者数が留まっている理由のひとつとして、使用開始までに複雑なステップを踏んで、インストールする必要があったことを指摘。同社では今回のセルフサインアップで改善できるとしている。

 これまでの手続きは、包括契約締結の後にOffice 365テナント作成、Student Advantageのライセンス契約、学生アカウント作成、ライセンスを割り当てて、それにより、アカウント情報を学生へ連絡し、Officeをインストールするという順番になっていた。

中川哲氏
日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター統括本部 文教本部長 中川哲氏

 「とてもシンプルとはいえない仕組みであり、これがStudent Advantageが利用できる学生の約15%にしか行使されていないことにつながっている。セルフサインアップは2014年に米国でスタートしており、これを日本でも展開していくことでStudent Advantageの利用拡大につなげていく」(中川氏)

 セルフサインアップの仕組みでは、学生はポータルサイトへアクセスし、学内メールアドレスを入力するとメールアカウントに通知が届く。届いた通知のインストールURLをクリックするだけで、Officeをインストールできる。

 セルフサインアップは、国立情報学研究所が運営する学術認証フェデレーション「学認(GaKuNin)」と連携する。学生が学内で利用している学籍番号などを使って、Officeをダウンロードできる仕組みを4月から提供する。

 学認は、ウェブアプリケーションへのシングサインオン(SSO)技術を組織を越えて活用する分散型学術認証基盤。国立情報学研究所が取り組む大学IT基盤の拡充の一環として提供している。

 国立情報学研究所 学術認証推進室 教授 中村素典氏は、学認について「ウェブアプリごとにIDを管理したり、個別にログインしたりといった課題やアプリごとのセキュリティレベルの不統一といった課題を解決できる。現在、150の大学、高等専門学校で利用されており、電子ジャーナルやテレビ会議予約、文献検索、eラーニング、無線LAN用ID発行などの用途で利用されている。学認をStudent Advantageに対応することで、無償で提供されるサービスに対して追加の投資をしたくないという大学側の要望にも対応できる」と説明した。

 日本マイクロソフトの中川氏は「高度な仕事に就くためには高度なスキルが必要であり、そのためには高度なスキルを身につける必要がある。高度な教育を安価に習得できる仕組みが不可欠であり、そのためにマイクロソフトは教育機関向けの特別プログラムを用意している」と語った。

学認
組織を越えてSSOで認証される学認

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