Kevin Ashton氏は、「Internet of Things」(モノのインターネット、IoT)という言葉を提唱した人物として知られている。英語版Wikipediaでは、モノのインターネットは「電子機器、ソフトウェア、センサ、接続手段が組み込まれた物理的な物体、または「モノ」のネットワークであり、製造者、運用者、または接続されたほかのデバイスとデータをやりとりすることによって、より大きな価値やサービスを提供可能にしたもの」と定義されている。
Kevin Ashton氏
同氏がこの言葉を作り出したのは1999年だったが、スマートなモノのネットワークが実現するかもしれないところまでテクノロジが追いついてきたのは、最近のことだ。
今ではIoTは大きなニュースになっており、テクノロジや消費者向けの商品、家庭用品などに興味のある人が感心を寄せる最新の話題だといえる。
Ashton氏の最新のプロジェクトは、イノベーションに関する同氏の考えを展開した本である、「How to Fly a Horse: the Secret History of Creation, Invention, and Discovery」(「馬を飛ばす方法:想像、発明、発見の秘められた歴史」の意)の執筆だ。
--あなたはIoTを構想した人物だとされているが、あなた自身がこの名前をあまり好きではないとのこと。今ならどのような名前を付けるか。
これはいい名前だと思います。わたしは時々、Internet "for" Thingsの方が文法的に正しいという冗談を言うのですが、Internet "of" Thingsという言葉はより深い意味を持っています。すべての道具や生活必需品の相互のつながりを意味しているからです。
この概念を把握できない人も多いのですが、これは重要なことです。人類の創造物の相互のつながりについては、「How to Fly a Horse」で詳しく触れています。創造物のネットワークはあまねく存在しており、あまりに複雑なため、多くの人はそれにまったく気づきません。
IoTは人間が持つ文化の相互のつながりである「モノ」を、われわれのデジタル情報システムの相互のつながりである「インターネット」と統合するものです。それがIoTなのです。
今の教育は、自由よりもコントロールや、従順さや規範への服従を優先しています。