サンフランシスコ発--Amazon Web Services(AWS)は米国時間4月9日、当地で顧客向けの年次イベント「AWS Summit」を開催した。シニアバイスプレジデントのAndy Jassy氏はオープニングの基調講演で、開発者と顧客の両方にアピールしながら、「クラウドは新しい常識になった」と述べた。そして、「今後10年でワークロードの大部分がクラウドに移行するだろう」との予想を示した。
Jassy氏は、クラウド上でビジネスを立ち上げるベンチャー、既存のアプリをクラウドに移行する企業などさまざまな事例を壇上で紹介した。
このようなクラウドへの移行トレンドに言及しながら、Jassy氏は2014年第4四半期、AWSの「Simple Storage Service(S3)」が前年同期比102%増で、「Elastic Compute Cloud(EC2)」が同93%増で成長していると述べた。
AWSの最大のフォーカスは、大企業顧客にある。Jassy氏は基調講演の場で、エンタープライズにおけるいくつかの取り組みを披露した。たとえば同社は、MicroStrategy、Software AG、TIBCO Software、Onshapeなどの業務ソフトウェアベンダーが自社サービスをAWS上で展開することを発表した。これは、Infor、Informatica、Splunkなどに続くものとなる。ハイテク業界以外では、Nike、Major League Baseball(MLB)などの顧客名を挙げた。
セールス中心のイベントではあるが、製品面でも発表があった。Jassy氏が最初に発表したのが「Amazon Elastic File System(EFS)」だ。EC2上のSSDベースのシステムで、拡張に優れた共有ファイルストレージを提供する。今夏にプレビュー公開する予定で、利用するストレージ量に応じて課金するという。
次に発表したのが機械学習サービス「Amazon Machine Learning Service」だ。機械学習はコンピュータが予測分析用のデータを利用するもので、すでにNVIDIAや、AWSの顧客であるPinterestなどが活用している。AWSの新サービスは、この分野の体験がない開発者を狙ったマネージド製品となる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。