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インドネシア市場をねらえ

モザイクなアッパークラスを取り込め--インドネシアの消費者像

高澤まなか(アクセンチュア)

2015-04-21 07:00

 インドネシアと聞いて、読者の皆さんはどのようなイメージを持つだろうか。以前であれば、バリ、ロンボクなどのリゾートやボロブドゥールといった世界遺産、バティックシャツやLuwakコーヒーを思い浮かべるか、最近であれば人口2億5000万人で世界一イスラム教徒が多い国というような印象だろうか。

 日本との関連で言えば、インドネシアでは自動車やバイク分野だけでなく、実は、大塚製薬やヤクルト、味の素といった企業の商品がトップブランドとして広く認知、消費されている。日本のレストランも大人気で、吉野家や最近進出してきた丸亀製麺といった日本企業も行列が絶えないだけでなく、現地企業が運営する日本食レストランも盛況だ。日本のアニメやアイドルも人気が高く、親日度もアジア随一の高さだと言えよう。

 2013年度の新規海外進出先は、中国に次いで2位となっている。 ここ数年では、自動車関連の企業に加え、アサヒグループホールディングス やサントリー 、山崎製パン 、ファーストリテイリング (ユニクロ)などの消費財メーカーもインドネシアに進出してきている。

 日清食品は現地での事業強化を目的に、2014年に現地食品メーカーとの合弁を解消し、別の形でインドネシアマーケットの攻略に本腰を入れていくとしている。 日本企業のインドネシア進出は生産拠点としてだけでなく、消費者ビジネスの拠点としても捉えられている。

 アクセンチュアの調査でも、日本企業の海外進出やグローバル対応への関心は高く、海外展開の計画も継続または拡大する傾向だという結果が出ている。一方で、ここ数年の海外での収益と利益が十分に期待に応えるものだったかというと、他国の企業に比べて日本企業の満足度は低かった。

 日本企業はグローバル化を重要な課題と捉え対応を継続しているものの、思ったような結果が出ていないという状況がうかがえる。グローバル展開のために行った多くの投資から期待した成果が得られていないと回答した日本企業は、海外市場の理解、人材の採用、グローバルオペレーティング基盤の構築、といった点が弱いことを認めている。アクセンチュアは、この調査の結果から、日本企業が海外進出を成功に導くカギとして以下の4つを挙げている。

  • 海外展開のための明確な戦略
  • 差別化の実現
  • オペレーティングモデルの構築
  • 人材リーダーシップ・カルチャーの導入

 うち、差別化の実現は、日本企業のみならず、アジア企業の多くが大きな課題と捉えている。前述のアクセンチュアの調査では、回答企業のうち60%以上が、海外市場でビジネスを展開する上での最大の外的障壁として、海外市場や顧客セグメントおよび顧客の嗜好の理解の難しさを挙げている。

 グローバル規模でデジタル化が進む中、新興国でも社会インフラの欠如が後押しする形で、携帯電話だけでなくスマートフォンが急速に普及している。消費者にとっていつでも好きな時に好きなチャネルで容易にニーズが満たせる状況が当たり前となる中、企業にとって消費者のより高まる期待とニーズに応え差別化を実現することは容易でない。

 インドネシアのようなモザイク化した消費者を持つ国ではなおさらだ。このモザイク化した消費者が持つニーズを紐解くことは差別化の実現に不可欠であり、ひいてはこれらのインサイトが差別化実現以外の成功要因にも重要な示唆をもたらすと考える。

 この連載では、日本企業の海外進出における4つの成功要因のうち、特に差別化の実現にスポットライトを当て、インドネシアの消費者に対してどのように差別化した製品やサービスを提供できるのか、現地で活躍している企業がどのように差別化を図っているのか、われわれがそこから学べるポイントは何なのかをお伝えしていきたい。

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