AzureとDynamics CRMで地域活性化--愛媛県とマイクロソフトの取り組み - (page 3)

羽野三千世 (編集部)

2015-05-16 10:00

 同日の報告会では、プレゼンコンテストの表彰式も実施された。

 受賞したアイデアは、(1)障碍者向けに緊急避難場所などの地域情報を発信したり、障碍者自身が施設のバリアフリー状況などを投稿するサイト「まるごと南予」(受賞団体・八幡浜・大洲圏域障がい者就業・生活支援センターねっとWorkジョイ)、(2)愛媛マルゴト自転車道サービスサイトの道路情報に、農業体験や自然観察会などの情報を重ねて表示したサイト「まるごと自転車道でまちを楽しもうよ!」(NPO元気!プロジェクト)、(3)保健所にいる犬・猫の情報を登録して里親を探すサイト「わんにゃんお助けサイト」(特定非営利活動法人フェロージョブステーション)の3つ。


NPOプレゼンコンテストの優秀賞表彰式には愛媛県のイメージキャラクター「みきゃん」が登場

地方自治体でのITセミナーに大きな意義

 今回の、ITを基軸とした協働プログラムの成果を持続可能なものにするためには、県内のIT産業の振興、IT人材の育成が必要になる。高度なIT人材を育成するための取り組みとして、日本マイクロソフトと愛媛大学が連携し、同大学の学生と県内企業のエンジニアを対象にしたソフトウェア開発技術の講習会を実施した。

 講習会では、マイクロソフトイノベーションセンターから派遣された講師が、日本マイクロソフトが保有する教育コンテンツを使い、C#プログラミングの基礎と応用、WPF(Windows Presentation Foundation)によるデスクトップアプリケーション開発とUIデザイン、ASP.NETにおけるウェブアプリケーション開発などについて教鞭を執った。


愛媛大学大学院理工学研究科 准教授の黒田久泰氏

 愛媛大学大学院理工学研究科 准教授の黒田久泰氏は、県のプログラミング教育の問題として、最新のプログラミング技術を教えることができる教員が少ないこと、中小企業のエンジニアがプログラミング技術を学べるセミナーの開催が圧倒的に少ないことの2点を挙げた。

 その上で、「今回の講習会では、学生よりも企業の参加者が多かった。また、愛媛大学の教員の参加もあった」と協働プログラムの成果を述べた。

 同大学では、2015年度に工学部1年生の「情報リテラシー入門」、大学院情報工学コースの「情報工学特別演習」、大学院ICTスペシャリスト育成コースの「システムデザイン」の授業で、日本マイクロソフトの教育コンテンツを利用する予定だ。

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