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攻める情シス

「攻めの協業」で現場と情シスが共通のゴールを目指すには - (page 2)

田村浩二

2015-06-10 06:00

 そもそも、このようなウェブ上の行動データ収集や訪問者属性収集のアプローチは、オンプレミスかSaaSかを問わず、導入したウェブ分析アプリケーションに何かしらのカスタマイズをしなければ不可能だ。

 アプリケーションベンダー側も、アプリケーション以外のレイヤでのカスタマイズを推奨しながら提供していることが常である。よって、情シスが「業務部門がやっていることなのだから、自分たちの仕事に影響はない」と、この段階では何が起きているのか意に介さないのも当然だろう。

 しかし、そうこうしている内に業務部門は、「顧客データやCRMデータとの連携ができれば、こんなこともあんなこともできます」という昨今のトレンドに積極的に反応し、その実現に向けて検討とカスタマイズを推し進めていく。

 そしてある日突然「基幹システム側の顧客IDを、今使っているウェブ分析アプリケーションでも収集できるようにしたいのだけど、できる? 」という業務部門の技術要件が、情シスにポンと落ちてくるのだ。

 当然、情シスとしては、ふたつ返事でそんな唐突な要望にイエスと言えるわけがない。顧客IDは立派な「個人を識別することが可能な」、すなわち守るべき個人情報であり、それを適切かつセキュアに管理するのが彼らの仕事だからだ。

 しかし、会話は続く。デジタルマーケティングテクノロジに明るい業務部門からは、「じゃあ、一度訪問者Cookieに格納して……、一度ハッシュ化して……」という具合に、実現方法についての選択肢が次々と繰り出される。

 しかし、基幹システム側にある顧客マスタのデータは社内外問わず門外不出であり、ファイアウォールの内側でしっかりと管理すべきという認識をデータ管理の前提として持っている情シスにとっては、どんな手法も論外だ。

 トレードオフが成立しない議論の末、強固な門番に守られたデータに一指触れることなく、業務部門の挑戦は挫折に終わる。そして「ウチの情シスは頭が固い」「事業のことがまったくわかっていない」という声がささやかれたりするのだ。読者のまわりでも、同じようなことが起きていないだろうか。

目的の共有なくして攻めの協業なし

 この手の攻防が生まれるわけ、それは両社が「個人情報を出すか出さないか」という論点に終始し、「なぜ、業務部門は顧客データをウェブ分析アプリケーション側でも収集したいのか」という「合理的な目的(WHY)」を共有して議論していないからである。

 当然、彼らの目的とは、「事業の売り上げと利益を拡大する=事業競争力を高める」ことにあり、このことに情シスが抗う理由はまったくない。本来の目的を共有して解を一緒に探す、というプロセスが抜け落ちていることに、根本的な原因があるのだ。

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