Build 10122のクリーンインストールは極めて軽量である。
「Remove everything」(すべてを削除)オプションは、その名の通りの機能を備えていた。筆者は「Disk Cleanup Manager」を使って、前のWindowsバージョンの非常に細かい残り物や古いインストーラファイルを削除した。リフレッシュされたイメージは完全に最新のもので、あらゆるデバイスのドライバが含まれており、適切にアクティベートされている。
新しいPCを購入したら、まずOEM版の「Windows」を削除してクリーンインストールを実行する人にとっては、これは非常に嬉しい知らせだ。Windows 10はユーザーの代わりにその作業を行ってくれる。
次に、筆者は物理PCでResetオプションを試した。まず、Windows 8.1が最初からインストールされていた「HP Spectre x360」で、HP独自のツールを使って、16Gバイト近くのリカバリパーティションを削除した。その後、Windows 10の「Build 10074」(現行の「Slow(低速)」リングビルド。Windows 7、Windows 8.1、Windows Updateを使っているユーザーにとっては、利用可能な唯一のビルド)にアップグレードして、アップデートオプションを「Fast(高速)」リングに設定し、Build 10122に再びアップグレードした。
それらの作業がすべて完了した後、筆者はReset機能を使って、すべてを、10021だけを含むクリーンインストールに置き換えた。このプロセスが完了したとき、HPがオリジナルイメージにプレインストールしたソフトウェアはすべて削除されていたが、すべてのデバイスとすべてのWindows 10機能が想定通りに動作した。
空き容量の差は驚くほどのものだった。Windows 10にアップグレードしたオリジナルのOEMインストールは約27Gバイトの容量を使用していた。いくつかの「OneDrive」ファイルを同期し、すべてのアプリをアップデートした後、クリーンインストールで使用した容量は14.3Gバイトだった。これはオリジナルの約半分だ。さらに、オリジナルのリカバリパーティションを削除することができたので、最終的に空き容量は75Gバイトから102Gバイトに増えた。
搭載アプリの質が劇的に向上している。
Microsoftはここ数カ月、すさまじい勢いで動いており、「iOS」や「OS X」「Android」向けにアプリを提供している。Build 10122は、実際に見栄えのいいファーストパーティーアプリが完全に揃った初めてのビルドだ。
新しい「Outlook Mail」アプリと「Calendar」アプリも搭載されている。「Photos」には、ごく最近まで「近日公開」と記載されていた「Albums」などの機能が追加されている。最新の「Music」アプリには、OneDrive統合が組み込まれている。これは、先述したほかのプラットフォームのアプリにも拡張されたら、非常に魅力的な機能になるだろう。
「Money」や「Weather」「Sports」「News」といった「MSN」ファミリのアプリ群は、Windows 10でできることをよく示している。それらのアプリはWindows 8のものよりはるかに充実しており、スマートフォンサイズの小さなウィンドウから大きなウィンドウまで、臨機応変に対応できるデザインを採用している。
筆者は今も2台の小型タブレットへのインストール作業を行っている途中だが、これまでの印象は良好だ。
ただし現段階では、このビルドをリリース候補版と間違える人はいないだろう。特に、新しい「Edge」ブラウザは、未だに「Project Spartan」という開発コード名が使われており、動作も決して機敏ではない。さらに、荒削りな点や廃止されたWindows 8のインターフェースの残滓が今も残っている。
Build 10122は、よくできたマイルストーンと考えた方がいい。うわさされる7月下旬のリリース日は約2カ月後に迫っているが、洗練度を高めて、バグを取り除く時間はまだ残されている。しかし、大規模な新機能が登場するには、数カ月待たないといけないだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。