NECは6月1日、通信事業者やサービスプロバイダの大規模データセンター向けにサーバラック数千相当のネットワーク構成が可能なSDN(Software-Defined Networking)対応スイッチを開発、同日より販売を開始すると発表した。
新製品は、48ポートの10GbEインターフェースを持ち、サーバを集約するToR(Top of Rack)スイッチ「PF5340-48XP-6Q」と、40GbE×32ポートで複数ラックを集約するアグリゲーションスイッチ「PF5340-32QP」の2機種。
同製品を制御するSDNコントローラと組み合わせることで、SDNを活用したスケーラブルでコスト効率の高い大規模データセンターのネットワークが構築可能になる。
新製品の主な特徴は以下の通り。
数千ラック相当の大規模データセンターのネットワークが構築可能
新製品では、QinQフレーム方式、OpenFlow技術、端末アドレス自動学習機能を組み合わせた転送方式(OpenFlowプロトコルによりフローを設定して初期トラフィックを転送後、初期トラフィックから端末MACアドレスを自動学習する)を採用することで、最大64万個までのVLANを利用可能とした。
また、テナントユーザーが自由にVLAN IDを設定可能で、特にベアメタルサーバや仮想サーバの収容においても、VLAN IDのネットワーク内での一意性をシステムが自動的に担保し、運用管理工数を軽減。
さらに、本製品を制御するPFシリーズのSDNコントローラと組み合わせることで、最大6万4000のユーザーを仮想テナントネットワーク(VTN)に収容、数千ラックに相当するSDN対応の大規模データセンターのネットワークを実現する。
採用しているQinQフレーム方式は、オーバレイ方式のサーバ間接続に採用されることが多いVXLAN、Generic Routing Encapsulation (NVGRE)、Multi-Protocol Label Switching (MPLS) などのカプセル化に比べ、フレーム・オーバヘッドが4byteと大幅に小さく、ハードウェアによる高速、低遅延な接続が可能という。
ToRスイッチとアグリゲーションスイッチの2階層でスケールアウト可能なOpenFlow技術を採用したネットワークを実現
新製品はいずれも高さ1Uサイズのスイッチで、PF5340-48XP-6QはToRスイッチとして10GbE×48ポートと40GbE×6ポートを有し、PF5340-32QPはアグリゲーションスイッチとして40GbE×32ポートを有する。
OpenFlow技術と端末アドレス自動学習機能を組み合わせた転送方式を採用することにより、さまざまな条件に合わせてスイッチ間の接続構成を組むことができ、ネットワーク構成の制約なくスモールスタートから大規模ネットワークまで柔軟にネットワークを構築することが可能。
なお、新製品はOpen Compute Project(OCP)のデータセンタースイッチ仕様に準拠したSDN対応製品となっている。NECが開発したOpenFlow対応のネットワーク・ソフトウェアをOCP準拠のスイッチハードウェアに搭載することで、市場ニーズに対応した迅速な製品化を実現した。