Cisco Systemsは米国時間6月3日、Piston Cloud Computingを買収すると発表した。クラウド基盤ソフトウェア「OpenStack」のディストリビューションを手がける新興企業だ。
この買収を発表したブログ記事で、Ciscoのビジネス開発責任者であるHilton Romanski氏は、同社の「インタークラウドという野心的なビジョン」においてPistonが重要な役割を果たすだろうと述べている。
2014年に立ち上げられたインタークラウド構想は、相互接続されたクラウドネットワークの構築に向けたCiscoの取り組みだ。これは2つのコンポーネントで構成されている。1つは、さまざまなパブリッククラウド間でのワークロードのマイグレーションを可能にする「Cisco Intercloud Fabric」、もう1つは、ワークロードに応じてリソースのプロビジョニングを自動的に行う「Application Centric Infrastructure」(ACI)ソフトウェアだ。
Pistonの買収によってCiscoは、自社のOpenStackプライベートクラウドに新たなレベルのインフラを追加できるとともに、分散システムや自動配備関連で足回りをより強固にできるようになる。Piston従業員のうち何人がCiscoに移籍するのかは明らかにされていないが、Romanski氏によるとPistonは最終的にCiscoの「Cloud Services」チームに統合されるという。
Pistonは、米航空宇宙局(NASA)の元職員であるJoshua McKenty氏によって共同設立された。同氏はNASAでOpenStackプロジェクトの立ち上げに重要な役割を果たした人物であるが、Pivotal SoftwareにおけるCloud Foundry担当の最高技術責任者(CTO)として活動するためにPistonを離れている。
なお、いずれの買収についても金銭的条件は明らかにされていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。