vCloud Air VPC OnDemandについて、巨勢氏は「CPUやストレージ、ネットワークを使った分だけ利用でき、それを日本データセンターで利用できる。仮想マシンのサイズを自由にカスタマイズできるのも特徴。クレジットカードでの支払いも可能。スモールスタートをしたいといったニーズや変動要素が高いワークロードでの利用にも対応でき、コスト面での有効性が高い」と説明した。
税別料金は、2つの仮想CPUと8Gバイトのメモリの使用で1時間あたり28円。企業向けには、あらかじめ一括購入したポイントで支払えるSubscripstion Purchase Programも提供する。さらに同社ウェブサイトで利用料金シミュレーションも提供する。
vCloud Airの新サービス提供にあわせて利用料金を割り引く「サンキュー」キャンペーンを開始する。個人利用者は登録時に3万9000円相当の無料サービスを通じて、90日間限定で、実用に耐えられるかどうかを確認する概念実証(Proof of Concept:PoC)に取り組めるとともにアプリケーションを展開できる。
ヴイエムウェア 代表取締役会長 三木泰雄氏
SLAを向上
一方、日本での事業方針などについても説明した。
ヴイエムウェア代表取締役会長の三木泰雄氏は、「ビジネスの変化に対応するためには、ひとつのクラウド管理環境や同じスキルセットで活用でき、あらゆるアプリケーションを利用でき、あらゆるデバイスからセキュアにアクセスできる新たなITアーキテクチャが求められている。そうした点からもハイブリッドクラウドに対する期待は高い。そこに最適なクラウドがvCloud Airである。vCloud Airは、VMwareが推進する“One Cloud, Any Application, Any Device”のビジョンを実現するものになる」とした。
2014年11月から日本で提供を開始したvCloud Airについては、「好調にスタートを切っている」とし、「ソフトバンクとの協業で幅広い業種で利用されている。大規模に使っているものではないが、開発や検証の環境だけでなく、既存システムの移行先としてもニーズが高い。Windows Server 2003のワークロードをそのまま利用するという使い方もあり、新規ユーザーの獲得にも効果がある」(三木氏)とした。vCloud Airの認定販売パートナーはすでに95社に達しているという。
同社は5月20日に仮想デスクトップ基盤(Virtual Desktop Infrastructure:VDI)ソフトウェア「VMware Horizon」を活用したDaaS(Desktop as a Service)「VMware Horizon Air」を発表し、6月9日からの一般提供を予定している。すでに「早期アクセスプログラムで一部ユーザーが利用を開始している。DaaSはニーズが高いと考えている。今後も力を注いでいく」とした。
今後の展開としては、「vSphereユーザーに最適なクラウドのレファレンスアーキテクチャとしてvCloud Airを提供。さまざまな業種や業態、規模の顧客ニーズに応えるサービスを展開していく。SLAでは、5月に(占有型の)Dedicated Cloudを99.95%から99.99%に向上させたほか、(共有型の)Virtual Private Cloudでは、99.9%から99.95%に向上。ミッションクリティカルシステムもクラウド移行の対象にしていく。SLAの指標は各社ともに異なるが、この数値は、当社の基準で比較すれば、他社に比べても高いものだと考えている」とした。
さまざまな独立系ソフトウェアベンダー(ISV)や国内認証プログラムへの対応を強化していると説明。市場ニーズにあわせた販売パートナープログラムとして「Subscripstion Purchase Program」を提供するほか、vCloud Airを補完的に扱ってもらうようなプログラムとして「マネージドサービスプログラム(MSP)」を提供する。
Collison氏はvCloud Airについて「災害対策、既存アプリケーションの拡張、開発/テスト環境、ウェブ/モバイルアプリケーション、クラウドホスト型デスクトップの5つの導入シーンがあり、幅広い業種での導入が進んでいる。サービスの安定性や高いセキュリティ、ミッションクリティカルへの対応が可能であること、高いパフォーマンスが評価されている」と説明した。
「2014年は6つのサービス拠点を追加し、11カ所のデータセンターから提供。全世界で主要なパートナーとの連携も開始した。こうした実績をベースに2015年には、新たなサービスを追加するとともに、Googleとの協業強化でオブジェクトストレージを安価に活用できる環境を提供。さらに高度なセキュア環境で利用できるようになる」(Collison氏)