IBMは北京で現地時間6月10日に開催された「2015 OpenPOWER Summit」で、「OpenPOWER」ベースの無償クラウドサービス「SuperVessel」を発表した。大学や教授、開発者をOpenPOWERエコシステムに招き入れ、クラウドアプリを開発してもらう狙いだ。
今回の発表では、同社がいかにしてOpenPOWERエコシステムに対する開発者の興味をかき立てようとしているか、そしていかにして企業向けにカスタマイズを要するクラウドアプリに狙いを定めているのかが浮き彫りとなっている。OpenPOWER FoundationはIBMやNVIDIA、Mellanox Technologies、Google、Tyanによって2013年12月に設立された。なお、IBMのPOWERテクノロジをベースとする同オープンソースプロジェクトに貢献するメンバーの数は130にのぼっている。
SuperVesselは北京のIBM Researchと、IBM System Labsによって生み出されたオープンなクラウドサービスだ。同サービスは「バーチャルR&Dエンジン」と称されている。IBMによると、SuperVesselはアナリティクスや機械学習(ML)、「モノのインターネット(Internet of Things:IoT)」向けのアプリ開発を目的にしているという。
OpenPOWERは、データセンターで採用されるプロセッサを、Intel製のみに頼ることなく多様化させていこうという取り組みだ。
SuperVesselは、IBMやNVIDIA、Xilinxのプロセッサがベースになっている。これらのプロセッサと「OpenStack」を組み合わせたSuperVesselのクラウドは、ビッグデータやIoT、POWERアーキテクチャでのアクセラレーションや仮想化といった領域に分かれている。
同クラウド上で特定の領域に特化して開発されたアプリケーションとして、上海の同済大学における、タンパク質のシーケンスを分析する「ProteinGoggle」プロジェクトのものが挙げられる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。