ピュア・ストレージ・ジャパンは6月9日、オールフラッシュストレージアレイの新製品「FlashArray//m」を発表した。新ビジネスモデル「Evergreen Storage」を採用し、エンドユーザーのストレージ調達、アップグレードのやり方を変える。
管理とサポートについても、クラウドベースのプラットフォーム「Pure1」を提供。日本法人の代表取締役である山田秀樹氏は、「オールフラッシュストレージとしての技術革新とともに、ビジネスモデルを変革し、ストレージにおけるマイルストーンを越える提案を本日発表する」と説明した。

ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社 代表取締役 山田秀樹氏
今回の発表にあたっては、米本社のPresident(編集部注:掲載当初、CEOと表記しておりました。お詫びして訂正します。)であるDavid Hatfield氏をはじめとしたメンバーが世界50カ国を回り、新製品を説明している。
Hatfield氏は今回の発表を、「ビジネスモデル変革により、ユーザー企業は投資コストをイノベーションの実現に振り向けられる。ストレージ業界全体にとってプラスになるもの」と話した。
今回の新製品「FlashArray//m」は製品開発を大幅に見直し、ソフトウェアだけでなくハードウェア部分から開発した。従来は調達したホワイトボックスのサーバにソフトウェアをインストールするだけだったが、ハードウェア開発にまで踏み込むことで、「ソフトウェアにハードウェアを最適化し、劇的なパフォーマンス向上に成功した」(Pure Storage創業者兼チーフアーキテクトJohn Hayes氏)という。
アップグレード可能なモジュラ型アーキテクチャを採用し、旧世代製品と比較してパフォーマンスは50%、密度は2.6倍、1Tバイト当たりの電力効率は2.4倍向上させた。ハードウェアにはIntelのHaswellコントローラ、新しいNV-RAMキャッシュモジュールを搭載し、3つのラックユニットシャーシ内の新しいデュアルドライブフラッシュモジュールを統合している。高密度化により、従来のディスク型ストレージのラックを統合し、5~10倍の電力、スペース、効率性の向上を実現する。
新製品「FlashArray//m」
製品の特徴として、次の4点を挙げる。
(1)ディスク型ストレージのラックを3Uに統合する技術で、かつて冷蔵庫数台分のサイズであったストレージアレイを電子レンジ1台の大きさに小型化。消費電力使用量を住宅10戸分からオーブントースター1台分に相当する1kWに抑えた。
(2)新しいモジュラ型により、柔軟なアップグレードを実現。カスタマイズでき、移行可能なハードウェア設計により、データの移行、ダウンタイム、パフォーマンスへの影響を気にすることなく、既存のFlashArray製品に導入できる。
(3)パフォーマンスを強化し、1ミリ秒未満の平均レイテンシで、最大毎秒9Gバイトの帯域で、最大30万 32K IOPSを実現した。
(4)大幅な簡素化を実現し、6本のケーブルで接続が可能に。すべてのソフトウェアは基本料金に含まれているため、高可用性やスナップショット、レプリケーション、暗号化、管理ソフトウェアに追加料金も不要になった。
今回、最大120Tバイトの有効容量、15万 32K IOPSの「//m20コントローラ」、最大250TBの有効容量、22万 32K IOPSの「//m50コントローラ」、最大400TBの有効容量、30万 32K IOPSの「//m70コントローラ」の3つが提供される。