インターネットイニシアティブ(IIJ)は、スマートメーターを活用したサービスのシステム基盤を開発、6月16日から電力小売事業者などに「IIJスマートメーターBルート活用サービス」のトライアル環境の提供を開始した。機械間通信(Machine to Machine:M2M)やモノのインターネット(Internet of Things:IoT)関連企業にも提供する。
電力会社(一般電気事業者)が家庭やオフィス向けに設置を進めているスマートメーターの通信経路には、一般電力事業者が利用する“Aルート”とは別にデータの取得期間が短く、高精細な電力データを取得できる“Bルート”があり、今回のシステム基盤はBルートを活用したものとなる。Bルートを活用することで、スマートメーターを各戸に設置された電力センサとして活用、ほかのセンサデータと組み合わせることで、M2MやIoTを活用した新たなサービスやビジネスを創出できるとしている。
スマートメーターBルート活用サービスのシステムイメージ(IIJ提供)
今回トライアル提供を開始するサービスでは、以下のような構成のシステムを用いる。
- サービスアダプタ製品「SA-W1」:スマートメーターの検針データをリアルタイムで取得し、連携するクラウドシステムと通信する
- PMS(Power Metering System):SA-W1を遠隔から集中管理するマネージメントシステム「SACM(Service Adaptor Control Manager)」と、検針データを蓄積、管理するためのクラウド型自動検針システム「MDMS(Meter Data Management System)」で構成されるクラウド検針システム
IIJでは、電力小売事業者だけではなく、電力データを利活用した新サービスの開発を目指す企業がトライアル環境を利用することで、電力小売自由化を契機とした、新たな市場の創造と拡大へとつながるとしている。すでに国際航業やテンフィートライトなど10社が利用を予定しており、IIJでは引き続きトライアル環境の利用申し込みを2016年3月末まで受け付けている。