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マイクロソフトがAMD買収検討とのうわさ--考えられる利点と懸念

Adrian Kingsley-Hughes (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-07-09 06:30

 Microsoftが苦境に立つチップメーカーAdvanced Micro Devices(AMD)の買収に関心を持っているとのうわさが流れている。一部報道によると、買収交渉は数カ月前に開始されたという。

 両社から具体的な発表はないが、このうわさの背景には、MicrosoftがAMDの財政状態に懸念を抱いており、AMDの問題が「Xbox One」の供給に影響することを不安視しているという見方がある。Microsoftが小切手帳を取り出して、AMDを買収すれば、すべての問題が解決するというわけだ。

 しかし、買収の利点は他にもいくつかある。

 Xbox Oneのチップサプライチェーンもその1つだ。Microsoftとソニー(Microsoftと同様、「PlayStation 4」(PS4)のチップをAMDから購入している)は、自社のゲーム機に搭載するシステムオンチップ(SoC)に1個あたり約100ドルを支払っている。Microsoftはこれまでに約1260万台のXbox Oneを販売しており、2013年以降、AMDに約12億ドルを支払ったことになる。MicrosoftはAMDを買収すれば、多額の費用を節減できる可能性がある。

 ソニーついても考えてみよう。PS4の販売台数は約2400万台で、Xbox Oneを大きく上回っている。AMDを買収すれば、Microsoftは競合企業がゲーム機を売るたびに支払いを受けることができる。

 最後に、Microsoftには「HoloLens」仮想現実という野望もある。チップメーカーを所有していれば、クールな新ハードウェアの開発が格段に容易になるのではないだろうか。

 ここまで読めば、買収で決まりだと思う人も多いはずだ。

 結論を出すのはまだ早い。問題は山積している。最大の問題は、AMDが2つの部門で構成される企業であることだ。コンピューティング&グラフィックス部門は大きな損失を出しており、エンタープライズ、組み込み、セミカスタム部門の業績はそれより良好だが、特に取り立てて言うほどの好業績というわけではない。

 Microsoftが本当にAMDを買収するつもりなら、業績がそこそこの部門だけでなく、赤字部門も引き受ける必要がある。ゲーム機向けSoCの販売に干渉するためだけに、これだけのことをしなければならない。

 厄介な問題が多いように思える。

 Intelの存在もある。AMDがチップ業界で大きな影響力を持っている要因は、x86アーキテクチャだ。これはIntelと結んだ技術交換協定と深く関係している。Microsoftが競合になることをIntelが望んでいるとはとても思えない。そうなれば、あらゆる契約に悪影響が及ぶだろう。

 また、そのような買収話が持ち上がったら、米司法省が目を光らせることも避けられない。

 ここまで読んでも、まだ買収実現の可能性は高いと思えるだろうか。

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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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