合併後に標準化プロセスにあわせてERPパッケージ導入--月60時間の業務時間削減

NO BUDGET

2015-08-06 17:28

 大阪市に本社を置く豊通マテックスは、販売管理から会計業務をカバーするために統合基幹業務システム(ERP)パッケージを新たに1月に導入、システムで標準化された業務プロセスに業務を合わせる形で運用を開始し、月間60時間を超える業務効率向上と月次決算の確定期間の50%短縮を実現したという。SCSKが8月5日に発表した。

 豊通マテックスは豊田通商グループの素材系専門商社。繊維と紙製品の異なる商材を扱う2つのグループ内専門商社の統合で2013年10月に誕生した。合併に伴い、業務システムで以下のような課題に直面することとなった。

  • 異なるシステムを利用していたが、ともに老朽化が進み、利用期限が迫っていた
  • 複数の業務プロセスが存在することでシステムの統合が困難
  • 経営環境の変化に対する組織改編や人事異動などでも、システム面で制約
  • 経営情報がタイムリーに取得できず、手作業による合算作業が必要
  • 内部統制の強化が必要だったが、統制強化のためのシステム改善に限界があった

 そこで同社では合併を機に、これらの課題を解決すべく、新システム導入の検討を開始した。システム導入方針として、どちらか1社の業務プロセスに合わせるのではなく、標準化された業務プロセスを有するERPパッケージに2社の業務を合わせることを決め、以下の点を評価してSCSKの「ProActive E2」の導入を決定した。

  • パッケージ機能の業務適合性の高さと柔軟性のある機能を有しており、導入方針に合致
  • 取引先の与信限度管理、在庫年齢管理、債権債務管理、売上採算管理などグループとして必要となる管理業務の強化を最小限の追加開発で実現可能
  • 必須要件である部門別決算に対応して、全てのデータを部門別に照会、管理できる
  • 商社への導入実績、会社合併を伴うシステム統合の豊富な実績に対して安心感があった

 ProActive E2を用いた新基幹業務システムの導入はスケジュール通りに進み、1月から本番稼働を開始。新システム稼働から6カ月が経過した時点では、以下のような導入効果が得られているとてぃう。

  • 部門間の計上データ連携による重複作業の削減と共通マスタ管理による入力ミスの防止
  • 業務プロセスの一本化と管理基準の明確化で社内ルールを統一
  • システムの一本化で決算数値の手作業による合算廃止、売り上げや採算などの実績管理、分析、資料作成業務の効率化など月間60時間強の業務時間を削減
  • 伝票の分散入力や自動仕訳によるデータのリアルタイム更新で月次決算確定までの期間を50%短縮
  • ワークフローによる証跡管理の実現や職務分掌に応じた利用機能、データ参照範囲の制限など内部統制を強化

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