海外コメンタリー

マイクロソフトの「Cortana Analytics Suite」--位置づけや狙いは? - (page 2)

Andrew Brust (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2015-08-25 06:30

 一部のサービス間では、すでに1対1の連携はできるようになっている。Azure Data FactoryはAzure Stream Analyticsと連携可能であり、そのAzure Stream Analyticsは、Event Hubsと連携できる。Power BIは、HDInsight上で動作するApache Sparkと通信可能だ。Azure Data Lakeは、Power BIのPower Queryコンポーネントからネイティブに接続できるHDFS(Hadoop Distributed File System)をエミュレートしている。また、Azure SQL Data Warehouseは、HDInsightとほかのHadoopディストリビューションを統合するMicrosoftの「PolyBase」テクノロジを利用できる。

Cortana Analyticsのデモ

 Microsoftの機械学習担当コーポレートバイスプレジデントJoseph Sirosh氏がホストを務めた7月23日のウェブセミナーでは、同社がこれらの製品の連携をどれだけ進めており、何ができていないかが説明された。同チームは、多くのマーケティング用スライドや売り文句に加えて、CortanaとPower BIの連携のデモも行っている。このデモでは、Windows 10のCortanaのユーザーインターフェースを通じて、Power BIに入っているデータに関する質問を口頭で行った。すると、「Power View」による視覚化データが、小さなCortanaのウィンドウに表示された。

 不思議なことに、Cortanaの音声認識機能は、なぜかデモを行う男性が質問を話し終える前にそのテキストを表示していた。これは、事前に行ったリハーサルでの入力からCortanaが質問を「自動補完」したのかもしれないし、事前に多少仕込まれていたのかもしれない。とにかく、表示された視覚化データはおそらくあらかじめ仕込まれたものではないはずだ。英文によるクエリの機能(Q&Aと呼ばれる)は、かなり前からPower BIに組み込まれている。

顧客の心をつかむには

 個々の製品は、それぞれ別のものかもしれない。しかし連携は可能になってきており、「Amazon Web Services」(AWS)や「Google Cloud Platform」のサービスも、緩やかに連携している。

 Microsoftはクラウドアナリティクスに真剣に取り組んでいる。クラウドプラットフォームをアナリティクスに利用すれば、そのプラットフォームのストレージの利用も促進され、プラットフォーム全体の収益につながる。Microsoftがそれを理解していることは明らかであり、Cortana Analyticsをその巨大なクラウドインフラ投資に収益をもたらすものだと見ている。

 リスクがないわけではないが、これは分はよい賭けと言っていいだろう。AmazonとGoogleが、どのような対抗策を打ち出してくるが楽しみだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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