大分県庁は、全職員1万2000人が利用するグループウェアを刷新、4月から導入を進めている。サイボウズが8月25日に発表した。
大分県庁では2013年度から電子県庁高度化指針を掲げており、その中の一つに情報共有ツールの強化を課題として挙げている。これまで使われていたグループウェアでは、アクセスが集中する始業開始や昼休み明け時間にレスポンスが大幅に低下し、利用者の業務に支障を来していた。
庁内の日常的な情報共有にはメールを利用していたが、容量制限があるためにメールを定期的に削除していて、エンドユーザーにはメールデータを頻繁にローカルに保存する手間が発生していたという。そこで、両課題を解決できる新たなグループウェアを検討することになった。
大規模環境向けグループウェアである「サイボウズ ガルーン」を採用した。数万人規模でも安心して利用できるスケーラビリティと、使いやすさを両立していることが特徴で、今回は1万人以上が同時にアクセスしても快適なレスポンスを確認できたことが決め手になったという。
メール運用の課題については、ガルーンの「メッセージ」機能を庁内の連絡に活用、メールをもっぱら外部との連絡に使う運用に変更することで解決することにした。大分県庁ではサイボウズとともに3カ月間シングルサインオン(SSO)実証実験を実施。庁内で利用するシステムにSSOを実装することで県庁内システムの総合的なポータルを設けられることを確認している。
シングルサインオンでパスワードを入力する手間を削減した(サイボウズ提供)
導入後、庁内の情報共有では主にガルーンを活用することとなり、必要な情報がグループウェア経由で庁内全体にすばやく共有できるようになったと説明。ガルーンの「スペース」機能を中心として、部門を横断したプロジェクト進行の円滑化も進められているという。
同機能は、プロジェクト単位で組織を横断した参加者を登録し、プロジェクト進行に必要なディスカッション、共有ToDo、ファイル共有を集約的に利用できるもの。現在は、マイナンバー制度の導入に向け庁内関係者での議論の場として活用されているという。