しかし、回答者の間では、クラウドの導入方法に関して興味深い傾向もあった。現在使っている、あるいは導入を計画しているクラウドの種類を質問すると(複数回答可能)、44%がプライベートクラウド、38%がパブリッククラウド、64%がハイブリッドクラウドと答えた。
ハイブリッドクラウドを検討する際の要件としては、次の3つが目立った。
- ワークロードが移植できること - 33%
- セキュリティの懸念 - 47%
- ポリシーの自動化 - 67%
こうした回答者がどのようなプロバイダーを求めているかという点では、ほとんどの場合、すでに知っている企業を検討する。回答者の83%は、現在利用している主要なITプロバイダーに、クラウドサービスの提供も任せると答えている。
オープンソースもこうしたクラウド導入の鍵となる要素であり、回答者の65%が「OpenStack」を自社のクラウド戦略の重要な要素だと答えている。
「Cisco Business Cloud Advisor」
Ciscoは調査結果と並行して、調査の回答から集めたデータを基にした新製品を発表しており、Gori氏はこれを、今回の調査結果を「行動に移せる」ものにする試みだとしている。Cisco Business Cloud Advisor(BCA)は、企業のクラウド導入レベルを評価し、それを改善するための方法を提示する。
「その企業の取り組みが実際に後れをとっているのであれば、どれだけの経済的価値を手に入れ損ねているのか、また同業者をリードしているのであれば、競争上の優位性がどのくらいあるのか、大まかに試算することができる」(Gori氏)
報告書によれば、BCAはクラウド導入に基づいて、売り上げや、商品化までのコストと時間がどれだけ改善するかを割り出すのに役立つという。
ユーザーである企業は、地域、規模、業種ごとに、今回の調査に参加したITリーダーが属する世界17カ国の約3400社と比較されることになる。このツールは文字通り、IDCの調査で収集されたデータを基に作られているといえる。
このウェブベースツールは、組織のプロフィール、クラウド導入にギャップがある部分、パフォーマンスの指標、ベンダー非依存のガイダンス、クラウド導入を向上させるための推奨製品といった、複数の要素から構成されている。
BCAは、Ciscoの営業担当者やパートナーが顧客へのクラウドサービスの販売を伸ばすのに役立つツールになるだろうとGori氏は述べている。現在のところ、同社はEnterprise Bank & Trust、Netelligent、Presidioといった企業と協力して試験的なサービスを行っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。