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「Office 365」は本当にオープンソースより安いのか--伊ペーザロ市の事例 - (page 2)

Nick Heath (TechRepublic) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-09-14 06:15

 Microsoftのソフトウェアからオープンソースの代替製品に移行する場合(Vecchi氏はこれを「ベンダーによる囲い込みの破壊」と呼ぶ)、システムを切り替えるコストがかさむことはある。しかし、その1回限りのコストが、ペーザロ市の言う31万3307ユーロに達することがあり得るのか、Vecchi氏は理解に苦しむという。

 同氏はまた、新しいオフィススイートに移行した当初に生産性が低下したと言う市議会が、なぜまたOffice 365に移行して職員を混乱させるのかと、疑問を呈している。

 では、今回の報告書でユーザー1人当たりのコストが1年目も5年目も同じとされているのはなぜなのだろうか。報告書を作成したイタリアのコンサルティング会社Osservatorio Neticsは、530.38ユーロという数字は1年ごとのコストではなく、5年間のユーザー1人当たりの平均コストだと説明した。

 「典型的な1年、模範となるものを示すことにした」。同社の広報担当者はこのように述べる。

 「この計算は1年目のコストが5年目より高いことを考慮に入れており、5(年間)の平均値を正確に表している」(同広報担当者)

比較対象になったのは古いバージョンか

 コスト比較に関しては、ペーザロ市が古いソフトウェアを使用しているという問題もある。

 ペーザロ市は、OpenOfficeを内部のシステムと連携させるとよくクラッシュしたと報告しており、OpenOfficeによる生産性の低下を計算するに当たって、こうしたクラッシュも考慮に入れられた。

 しかし、新しいバージョンに移行することでクラッシュ関連の損失を削減できる可能性があるにもかかわらず、2015年になってもOpenOfficeの2010年バージョンを使い続けていたようだ。このことは同市議会の文書のメタデータが示している。

ペーザロ市の職員が2015年にOpenOfficeの2010年バージョンを使って文書を作成していたことを示すメタデータ。
ペーザロ市の職員が2015年にOpenOfficeの2010年バージョンを使って文書を作成していたことを示すメタデータ。

 「それほど多くの問題を抱えていたにもかかわらず、4年を経た今も(同じバージョンを)使っており、アップグレードに着手していないという証拠がある。報告書では、その理由も説明されていない」(Vecchi氏)

 新しいバージョンのOpenOfficeにアップグレードして、抱えていたとされる問題の一部を解決しようとしなかったのはなぜかという質問に対し、Neticsの広報担当者は、「移行作業は今も進行中で、全ユーザーがO365(原文まま)に移っているところだ」と述べた。

 報告書で他にVecchi氏の目を引いたのは、「初期ファイル」の変換に29万1000ユーロかかったという主張などだ。

 報告書はコストがここまで高くなった理由について、一部のシステムで「Microsoft Access」データベースと「Microsoft Excel」を使い続けていたことから、Excelマクロの変換やAccessデータベースの使用に関連するコストが発生したためと説明している。

 OpenOfficeと市のシステムに互換性がなかったため、Microsoftのソフトウェアを使い続ける必要があったという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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