Boxが米国時間9月28日よりサンフランシスコで開催している「BoxWorks 2015」で、Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏がBoxのCEOであるAaron Levie氏とのファイアサイドチャットに登場した。Cook氏はそこで、長年コンシューマー技術企業だった同社がどのようにしてエンタープライズの領域に軸足を伸ばしているのかについて興味深い見解を述べた。
「Appleはこれまで常に、人々がそれなしではできないようなツールを作ってきた」とCook氏。「少し前までの世界では、コンシューマーとエンタープライズの世界が分かれており、われわれのフォーカスはコンシューマーにあった」と述べた。
だがその分岐がなくなりつつあり、エンタープライズかコンシューマーかということで技術へのアプローチを変えなくなっている。エンタープライズ専用のスマートフォンはないし、エンタープライズ用の車もない、とCook氏。その代わりに、コンシューマーできちんと使えるデバイスはエンタープライズでも使える。
Appleがエンタープライズ市場を狙うようになったのは、IBMとの提携の前からだとCook氏は述べ、数年前より自分たちのソフトウェアにエンタープライズ向けの機能を組み込んでいることに触れた。
Cook氏はセキュリティ機能や「iOS」全体などのAppleのエンタープライズでの技術についてははっきりと語らなかったが、エンタープライズ戦略全体における提携の重要性について強調した。
「エンタープライズが得意とするすべての業界の深い知識がAppleにあるわけではなく、これをわれわれが提供することはない」とCook氏。「そこで素晴らしいことを成し遂げるには他社と提携する必要がある。人々の働き方を変えるアプリケーションスイートをエンタープライズにもたらすことが重要なのだ」と続けた。
もちろん、Cook氏はかつてのライバルであるMicrosoftとのエンタープライズ分野での連携を強調し、自分がCEOになってからAppleがいかに変化したかを示してみせた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。