Microsoftはクラウドおよびエンタープライズ部門の組織改編を進めている。Windows Server、SQL Server、System Center、Dynamics CRM、ERPの各部門がクラウド関連部門と緊密に統合されることになる。
情報筋によると、Microsoftのクラウドおよびエンタープライズ担当エグゼクティブバイスプレジデントであるScott Guthrie氏は米国時間10月22日、社内メールで組織改編に関する告知を行ったという。改編後の新組織には「Cloud Infrastructure」「Data and Analytics」「Business Apps」「Enterprise Mobility」「Developer Tools」の各部門が含まれることになるようだ。
「Cloud Infrastructure」では、Jason Zander氏がAzure部門の責任者に留任する。同氏の配下でBill Laing氏がCloud Server Infrastructure部門を率い、Microsoftのクラウドサービスを稼働するために使用するサーバハードウェアの開発を担当する。
Enterprise Cloud Group部門の責任者はMike Neil氏で、「Azure Backup」「Azure Disaster Recovery」「System Center Data Protection」などを開発するHybrid StorageおよびData Protectionチームを統合する。このチームは、「Windows Server」「System Center」「Operations Management Suite」「Azure Stack」 「StorSimple」 などを有する。
「Data and Analytics」では、「Information Management and Machine Learning」と「Data Platform」といった部門を統合した新しいData Group部門をJoseph Sirosh氏が統括する。Data Groupは、「SQL Server」「SQL DB」「Cortana Analyics Suite」などを担当する。また、テクノロジおよびリサーチ担当エグゼクティブバイスプレジデントであるHarry Shum氏の配下にRanga Rengarajan氏が異動し、研究分野で新しい役職を担う。Ranga氏はMicrosoft Global Development Centersを監督する予定だ。
「Business Apps」には「Dynamics CRM」やERP事業が含まれる。CRM部門の責任者にBob Stutz氏が留任する一方、新しいBusiness Applications, Platform and Intelligence部門の責任者にはJames Phillips氏が就任する。
「Enterprise Mobility」では、David Treadwell氏がIdentity Team部門を統括する。Enterprise Client and Mobile部門の責任者にはBrad Anderson氏が留任し、Security Team部門はBharat Shah氏が率いる。
「Developer Tools」では、先日退社が発表されたSoma Somasegar氏に代わり、Julia Liuson氏がVisual Studio Tools and .NET部門を統括し、Visual Studio Online部門はBrian Harry氏が率いる。
なお、10月22日にはMicrosoftの2016年度第1四半期の決算発表も行われたが、「Intelligent Cloud」事業区分は増収となった。この事業区分には、オンプレミスソフトウェア、クラウドサービス、コンサルティングサービスなどが含まれている。しかしIntelligent Cloudは「商用クラウド」とは同義ではない。Microsoftの担当者によると、同社ではAzure、Office 365、Dynamics CRM Online、Power BIなどの業務用クラウドサービスを含む商用クラウドの年間収益が、2018年までに200億ドルに達すると見込んでいるという。10月22日の時点で年間収益はすでに82億ドルに達しているため、200億ドルは十分に達成可能な数字であると、同社の担当者は自信を見せている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。