サイバードは、データセンター移管に伴い、新たにハイパーコンバージドシステムを導入、32台あったデータベース(DB)サーバマシンを含む計70台ほどのハードウェアを1台の仮想化アプライアンスに集約した。
ハードウェア保守料金を40分の1以下に削減し、ソフトウェアを含む保守費用では3年間で約75%の削減を見込んでいるという。製品を提供したニュータニックス・ジャパンが11月24日、ユーザー事例として公表した。
サイバードは1998年の創業以来モバイル向けのサービスを提供しており、現在ではスマートフォン向けを中心としたゲーム事業とコンテンツ事業が2本柱となっている。事業の拡大に伴い、同社ではデータセンターを順次拡張、システムの運用は次第に複雑化してきていた。
これに対し、競争力のある価格でサービスを提供すべく、以前からさまざまなコスト削減対策を講じてきたが、さらなるコスト削減には限界があり、抜本的な改革によるシステム最適化が必要と判断。2014年にデータセンター移管に向けた計画を本格化させた。
この計画で特に重要だったのが、ミッションクリティカルなDBサーバを集約できる移行先の確保。新しいDB環境には、運用負荷・保守費用削減の見込める保守性だけでなく、従来よりも高い性能と、仮に障害が発生してもサービスを停止することなく、迅速に復旧できるシステムが求められていた。
そこでニュータニックスの仮想化アプライアンスを選択。当時、クラウドサービスで必要となるスペックを低コストで提供している点、運用保守コストの削減効果を期待できることも評価した。
2014年10月、エントリーモデル「Nutanix NX-1450」を用いた動作および性能検証を実施し、その成果を受けて2月、新データセンターへの移管に合わせて「Nutanix NX-3460(4ノード)」を導入した。従来のDBサーバ機全32台とストレージとネットワーク機器を含む約70台のハードウェアを1台に集約したとのこと。
導入後も高CPU処理能力とディスクI/O向上により、安定したDB運用を実現、全ノードがクラスタ構成のため可用性も担保されているという。4月には「Nutanix NX-1250(2ノード)」を増設し、一部のウェブサーバ、Memcacheサーバ、ファイルサーバを移行した。

(ニュータニックス提供)
導入前の課題の1つであった保守費用については、著しい効果が得られたという。保守費用3年分がNutanixの初期導入費用に含まれていることもあり、DB関連のハードウェアとソフトウェア保守費用は2016年までに75%削減(2013年比)できる見込みだとしている。
さらに、プロセッサのソケット数に応じて契約していたDBのライセンス数が大幅に削減。システム構成を簡素化したことで運用負荷を軽減し、人件費削減にもつながると期待している。
サイバード ビジネス戦略統括本部 テクノロジー戦略統括部 統括部長の飯田哲男氏は、ハードウェアの集約率やスケールアウトが可能であることに満足していると話している。