リバーベッドテクノロジーは12月10日、「2015年度リバーベッド グローバル・アプリケーション・パフォーマンス調査」の結果を発表した。企業の意思決定者を対象に、アプリケーションのパフォーマンスがビジネスに及ぼす影響をテーマとした、初のグローバルアンケート調査という。
それによると、アプリケーションのパフォーマンスが業績に直結すると考える企業は98%であるのに対し、89%の企業が不安定なアプリケーションに苦しんでいると回答、ビジネスのニーズと現状のIT部門のキャパシティに大きな隔たりがあることが判明した。
調査は2015年10月、米国、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、中国、オーストラリア、インドの8カ国において、年間収益5億ドル以上の企業の幹部(部門管理者以上の役職者)900人を対象に行われた。内訳は米国が200人、その他の国が100人ずつ。
その結果、調査対象者の98%が、最高のビジネスパフォーマンス達成にはエンタープライズアプリケーションの最適なパフォーマンスが不可欠であると認識している一方、89%がエンタープライズアプリケーションの不安定なパフォーマンスが業務に悪影響を及ぼしていると回答し、毎週のように業務に支障が出ているとした回答に限っても58%にのぼる。
このようなパフォーマンスギャップは多様な問題の原因となり、企業は収益や顧客の損失、社員の士気低下、ブランドイメージの悪化などに悩まされている。アプリケーションパフォーマンスによるビジネス上の具体的メリット/デメリットとして挙げられた上位の回答は、それぞれ以下の通り。
メリット
- 社員の生産性の向上(51%)
- 時間の節約(50%)
- コストの削減(47%)
- 顧客満足度の向上(43%)
- 製品の市場投入の高速化(33%)
- 社員の士気の向上(31%)
デメリット
- クライアントや顧客が不満を抱く(41%)
- 契約締結の遅延(40%)
- 納期の遅れ(35%)
- クライアントや顧客の損失(33%)
- ブランドイメージの悪化(32%)
- 社員の士気の低下(29%)
多くの企業でアプリケーションパフォーマンスの不安定さに悩んでいる原因の1つとして、リバーベッドではIT環境のハイブリッド化を挙げている。自社運用アプリケーションとクラウドとを併用することで環境が高度に複雑化し、アプリケーションデータユーザーが各地に分散するようになっている。
こうしたことから、IT部門においても最適なアプリケーションパフォーマンスの確保が極めて難しくなってきているのが実態だ。アンケート回答者の83%も、ハイブリッドIT環境ではパフォーマンスのトラブルシューティングが難しいと認めている。
しかし、企業の幹部がアプリケーションのパフォーマンスを非常に重視している割には、経営層とIT部門とのコミュニケーションが不足しているとも指摘されている。エンタープライズアプリケーションのパフォーマンス低下について、グローバル全体で回答者の71%が「原因がわからないことが多い」と回答、地域別にみると「ヨーロッパ・中東・アフリカ」(76%)や「アジア」(75%)が特に高い。
そして厄介なことに、経営陣が独自に問題回避を図ろうとすることによってさらに問題が悪化しているという。回答者の37%はエンタープライズアプリケーションのパフォーマンスが悪い時は未承認のアプリケーションを無断で利用していると答えているが、このような「シャドーIT」の利用がインフラストラクチャをさらに複雑にしてしまう。
ちなみに、パフォーマンス低下時の対応策については、「同僚に不満をぶつける」(34%)、「昼休みを延長する」(29%)、「パフォーマンス低下を納期遅れの言い訳に利用する」(26%)、「早退する」(26%)といった回答も見られた。また、常に最適なパフォーマンスを確保するためなら「昼休みも要らない」という回答が33%にのぼり、続いて「予算の振り分けを厭わない」(32%)、「コーヒーブレークをあきらめる」(29%)、「チョコレートをあきらめる」(27%)などとなった。
リバーベッドでは、今日のハイブリッド環境で優れたアプリケーションパフォーマンスを提供するためには、エンドツーエンドでアプリケーションを可視化し、最適化、制御できる包括的なソリューションの導入が喫緊の課題だとした。
レポート全文はこちらからダウンロードできる。